2012年12月23日日曜日

 ここ数年のレティックパイソンの品種改良の並々ならぬスピードには目を白黒させるばかりですが、白黒といえば今年はついに「牛柄」まで登場して、これから果たしてどんな品種が現れるのかまったく読めない混沌状態。やはり、注文さえしておけば、日本も含め各国の大きなショーの日程に合わせてアメリカの有力なブリーダーが直接生体を連れてきてくれようになった事が愛好家がハイエンド品種にぐっとアクセスしやすい環境を作り、ファンを増やす追い風になっていると思う。この牛柄レティックはゴーストストライプ2系統(ファントムストライプとオレンジゴーストストライプ)が生み出すブルーアイド・ドワーフのうち、成長と共にパラドックス的模様が出てくるもののことをさすらしい。因みにより黄身をおびた「牛柄ゴールデンチャイルド」も既に登場しています。改良品種はそれほど大型化しないとはいえ、所謂大蛇の一種であるアミメを適切な飼育環境でコレクションしていくことは日本人愛好家にとっては究極のぜいたくと思われる。もうそこまでせまっている2013年のヘビ年、大蛇に限らずも何か思い出に残る個体を飼ってみるのもいいかもしれない。

2012年12月22日土曜日

 タタールスナボアにやるピンクマウスを買いにペット量販店まで行ったところ、売り場の店員さん相手に延々と自分ちのコーンスネーク3匹についての話をしているおじさんがいた。爬虫類の愛好家にたまに見かける状態ですが、多くの人が子供の頃に気付く「世の中のだいたいの人は自分のする(爬虫類の)話に特に興味ない」という大いなる事実に、気付いてないのか、無視しているのか、いっこうに自分の家の生き物についての話をやめない人というのがときどき居る。その点ブログやホームページというのは、初めからある程度興味のある人が見に来てくれると分かっているので、自分にとっては多少は気が楽です。オタクなりになるべく人に迷惑はかけたくないという意気込みだけはあります。

2012年12月20日木曜日

 :REDROOM:のサーバが落ちちゃってる。足掛け9年使っているけどこういう事は初めて。

2012年12月16日日曜日

ヘビ引越し



 ついに転居の日となり、人手も借りてヘビ達を移動しました。写真はケージを管理人の車に積み込もうとしているところ。転居先は鉄筋+モルタル+木造3階建てで、日本で言うメゾネットタイプの家なので、ケージの上げ下ろしは結構大変です。また先住者の事情で事前に各部屋の温度やなんかを計っておくことも出来ず、ちょっと不安な出だしとなってしまいました。

2012年12月4日火曜日

 「重要なメール」がきた。開いてみると、なんとただの「犬の里親募集」で拍子抜け。ただちょっと変わっていたのは、その犬というのが一気に50頭近くも居て、さらに全員が高度な訓練を受けた爆弾探知犬という所。軍隊や公の機関で働いてきたのが、性能の良い探知機が新たに導入されたためにお役御免となったらしい。こんなにたくさんの犬に訓練を入れる手間や時間や費用を考えるととても同情する。さらに、テクノロジーが生身の生物の役割をどんどん肩代わりする事が加速度的に進んでいるのを体感した。それにしても自宅のアパートでは15キロ以下の犬しか飼育できないのが悔やまれる。うちに爆弾がないとも限らないし。

2012年12月1日土曜日

 いきなり「ペットと愛車のツーショット写真コンテスト」に応募することにしました。といってもやはりヘビなので、今時の野外撮影は難しいし、イヌネコと違ってああいう実用的な用途のある乗り物とは案外しっくりこない生き物なのが悩みどころ。車も長らく洗ってなかったからこれを期に洗車かな・・・とか、後部座席に釣竿3セット、汚道具箱、汚ビニールシートや30年前の図鑑などが散乱しているのをどうになしないとな・・・など、課題は山積です。そしてこれらは全て、転居準備から逃れたいがための現実逃避です。写真は最近のモンたろう。目が明るい灰色なので黒目がはっきり見えますが、これだけでずいぶん表情豊かに思える不思議。


2012年11月30日金曜日

 「スコリアボア」と聞いてビジュアル的にさっとどんなヘビか思い当たる人ってあまりいないのではないかと思います。この、数あるボアコンストリクターの中でもごく一部の繁殖家の間でしか取引されていない非常に独特な無斑のボア達は、長い間マーケットの表舞台から消えており、今でも詳細(遺伝情報なども含め)まで詳しく知っている人はたぶん殆ど居ないと思われるほぼ幻の品種です。これをたまたま思い出す機会があったので、これを期におさらいしてみたいと思う。尚、ここから先は管理人がホビイストの間で飛び交っている伝聞や噂から重要部分を抽出・要約したもので、実際に自分の目で確認を行った情報ではないことを念頭に置いて読んで欲しいと思います。

 スコリアボアの歴史はとても浅く、2003年に北米の個人の繁殖家が偶然作出した1個体からはじまっている。この人は同じ両親からの交配を少なくとも2回、その子供と両親との戻し交配を少なくとも1回行って、少なくとも8匹のスコリアボアを生み出した。このもとになった両親はどちらもCBだったと言われているけれども、定かではありません。というのも、さらにさかのぼって2000年頃にカリフォルニアの爬虫類やさんに飼われていたWCのメスが(見た人曰く)「非常にスコリア的な外貌」をもっていた事で知られているため、実際にこの品種の祖になった両親が本当にいわゆるふつうのヘビだったのかどうかは未だにナゾなんだそう。本筋に戻って、2003年、4年に生産されたスコリアボアの子供達は、2005年頃までに死んだり他のブリーダーの手に渡ったりして、いったん表舞台から消えました。今時の繁殖家はホームページなどで情報発信しているのが普通だけど、たまたまこの時スコリアボアを購入した人々があまり情報開示しないタイプの人たちだったようで、その後、転売も繁殖の成果もぷっつりと聞かれなくなったために「遺伝しない一代限りの変異だった」「性質が弱く、成長する過程で全て死んでしまった」という、まことしやかな噂が囁かれるだけとなり、徐々に取りざたされることもなくなっていきました。

 そして下がこれら諸々を考え出すきっかけとなった個体の写真。2012年に再び突然あらわれた、現在のスコリアボア。このおもしろい体色は成長の過程で暗くはなるけれど、ほぼそのまま大きくなります。なによりもこの、斑紋の消え方が特徴的というか、現存するどのパターンレスとも似ていない。皆のうわさや見立てに反して、健康に成長し、ちゃんと同じ特徴をもつ子を作ることができたことも明らかになった。こういうアッと驚くどんでんがえしみたいな事があるから、趣味の世界って面白い。


2012年11月20日火曜日

 ドイツより、エギザンティック ジャガーカーペットパイソン。一匹のエギザンティックのカーペットパイソンをもとに、最初の100%ヘテロの仔がとれたのが2005年、それから4年がかりの育成を経て今年初めてアネリジャガーを生み出すことに成功したそう。作出者によればこの、黒い色素が最小限に抑えれた体色は脱皮を繰り返すごとに明るくなっていくそう。てことは成長したら、あのカーペット独特の艶消しのプラスチックみたいな鱗の色や質感と体色が相まって殆ど白黒状態になったりして。現地ではエギザンティックゼブラ、エギザンティックゼブラジャガーなど早くも「選べる状態」になっており、彼らの作業の早さに圧倒されます。たぶんグラナイトもそのうちエギザン化されるでしょう。なんかドイツに住みたくなってきた。


2012年11月17日土曜日

 近頃は迷信的に嫌われるということは減ってきたにせよ、やはり見つかると嫌がられる事の多い蛇。管理人も、沢へ釣りに行って釣り人に踏み殺されたヘビを何回か見かけたことがあります。田舎だからだったのかも知れないですが、ただのミズヘビみたないのでもこの扱いなので、こと毒蛇に対する一般の人の嫌悪感は想像するにた易い。

 毒蛇の持つ毒は我々のあずかり知らないところで医療や製薬の分野に貢献していて、実は沢山の人を助けています。統計によると、北米では一年間に起こる心臓発作のうち150万件にピグミーガラガラヘビの毒から造られた薬が使われています。マレーピットバイパーの毒を元に開発された薬は、毎年79万5千件の脳卒中の治療として、出来てしまった血栓を溶かすのに使われているそう。22万5千件ある新しい乳癌のケースに対して、アメリカマムシ(カパーヘッド)の毒をもとに造った薬は腫瘍細胞の生育と拡散を遅らせ、またこれらの細胞を供給する血流を阻害する有効な治療法として期待されています。こういう事実がより多く知られる事によって皆が蛇を突然「大好き」にならないまでも、無意味に殺してしまう人の考え方がだんだんに変わっていくといいと思う。

2012年11月1日木曜日

 「小さいロンギ(?)」が来てから大体一年たちました。去年の今頃即売会で買い求めた時は片手のひらにちょこっと乗る程度だったのが嘘の様に大きくなっています。最近は常に腹が減ってしかたがないらしく、動くものにはなんでも飛び掛って、とりあえず食いついてから考えることにしているらしい。食べれば食べた分だけ排泄物が押し出されるという単純なところてん式なので、業務用ペーパータオルなどというものをこの蛇のためだけに買い置きしています。これが意外とかさばる。

2012年10月14日日曜日

 言われるまで何だか分からないこのヘビ、ドミニカボアです。エグいですね。島モノボアで、しかもレッドフェイズ・・・からのキャリコという大穴のさらにナナメ上からやってくる組み合わせ。このヘビは2008年にアメリカで繫殖された個体で、およそ3歳頃までは「普通のドミニカボア」としてブリーダーの元で育成されていましたが、その後激的な色彩変化が起こってこのような状態になったということです。ドミニカボアって日本では殆ど流通しないどちらかというと地味な種ですが、北米・欧州ではときたま現れる赤化(Erythristic)個体が「ドミニカンマウンテン・レッドボア」等の通称名で、ごく少数ですが流通しています(旅行記のページ、2010年フロリダのエキスポの記録に、所謂「普通の」ドミニカンレッドボアの写真があります)。この写真の個体は今は繫殖家のもとで遺伝の検証を行われている最中らしく、今後の展開がとても気になるところです。

 管理人のとぼしい経験上、自然発生的・晩成的(個体が成熟するとともに模様が消失する)なキャリコはある特定の親ヘビから子にのみ渡される特別な組み合わせの遺伝子が引き起こす気がする。そしてその子供からそれ以降の子に遺伝はしない気がする。といってもこの手のヘビをそう頻繁に目にする機会はないので、情報源は15年以上前に中野区のプロショップに在庫していたキャリコのアミメニシキヘビをはじめいくつかのみですが、その後、それらが遺伝したという噂は全く聞かれなかったためです(単純に、日本でアミメを繁殖しようという人がなかなか居ないという事でもあるかも)。



 ところで知らなかったんですが、ドミニカボア達は昼間と夜間では体色が全然変わるのだと、このキャリコを繫殖した方が教えてくれました(昼は黒っぽくて、夜はすごく明るい色になる)。太平洋の島々に住むほうのボアも体の色を変えられることで知られていますが、見た目や住む場所は離れていてもやっぱり同じヘビの仲間だからでしょうか。聞くと納得だけど、ちょっと新鮮な驚きがある。

2012年10月10日水曜日

 引越し先が決まり「小さくてもいいから爬虫類専用の部屋を作る」という、管理人の矮小なる野望はどうにか達成されそう。ボア用のラックをもう1台増やすのと、何だか分からないようなナミヘビを集める棚を作ろうか、さらに地元で獲れる小魚を集める水槽を作ろうかと色々計画中です。管理人はかなり動き回ったりとか、ちょっと体の硬いタイプのナミヘビが好きなのでスペースをどうわけるかが常に課題です。

 そんな中何の気なしに最近のガータースネークのカタログを見ていたのですが、改めて亜種関係なく見ると、この種が潜在的に持っている体色の幅ってすごいと思いました。モルフはパッと見ただけでも赤系、青系、緑、黄っぽいの、黒系、白とアルビノが揃っていて、アルビノは系統がいくつかあるみたいだし、パターンレスや、最近パイボールドも見つかったそうで、もともとある地域差や亜種の違いに加えて品種の選択肢もどんどん増えている。特に飼い易いナミヘビの中にあって青や青緑色の発色を出せるというのは貴重だと思う。(これだけ体色に潜在性の高い種って、日本だとヤマカガシくらいしかいないのではないだろうか。飼えないけど)。管理人は近い将来ナミヘビの仲間がまた爬虫類マーケットのメインストリームに戻ってくるんじゃないかなー?と考えているのですが、その時はこういった類のヘビ達も加勢していきそうな予感が大いにします。

2012年10月9日火曜日

 フロリダの爬虫類店主催のゴキブリ食い競争で死者が出たそうですね。大蛇は帰化するわ、ゾンビは出るわ最近ろくな事が起きていないフロリダ州、あの気候がそうさせるのだろうか。(10.11追記:今度はポンパノビーチ周辺で大人の両手の平一抱え分もある”何者かの眼球”が発見されたらしい・・・。ビーちという点とサイズ的にイカかな?)しかし虫食いで死ぬ可能性が有るという事実が分かった以上、佐々木孫悟空さんはじめ愛すべきアングラ芸人の方達がちょっと心配です。(12.01追記:死因は窒息だそうです。あなや。)

2012年10月5日金曜日

 ヘビを飼っているとたまに、あくびをしている所だとか何かしらおもしろい行動を目撃することがあるけど、そういう時に限って絶対にカメラが手元にない。この現象は必要な時に限って絶対に絶対に消しゴムが出てこないあの感じと少し似ている。

2012年10月4日木曜日

 テキサス州で先週、爬虫類と両生類の法律についての全米シンポジウムがありました。最近アメリカでもこれらの動物にまつわる法律の改正案が多く挙がっており、なかでも外来動物と危険動物の規制に関して厳しい再評価が進んでいるので、このあたりで一度専門家や愛好家を交えて話し合いを行おうというものです。先日シカゴのエキスポに行こうとして航空券の価格にたまげていた管理人としては、テキサスもなかなか遠いなあ・・・と少ししんみりしていたところ、2013年の総会は東海岸の自分の住んでいるエリアで行われる事が決まったそうです。まだ先の話しになりますが、実現したらちょっと行って覗いてみたいと思います。

2012年10月3日水曜日



 いくつか前のメモで、ヘビにも顔の美醜がある気がする等と書いたと思いますが、今まで見た「顔の可愛いヘビ」の例としていつも思い出す個体がいます(写真上)。大分管理人の主観が入っちゃいますけど・・・・・・、すごくバランスの良い、卵形をちょっと平たくしたようなぽってりした顔の、可愛いらしいヘビです。人間でも同じかもしれないけれど顔の可愛さの大半は、構成する部品の良し悪しではなく配置の問題なのだとこの時思いました。ヘビはこれプラス模様や体色によって印象も大分変わるので実際「かわいい」と感じさせるまでにはもっと色々な要ファクターがある気もします。このヘビはソノラボアのレオパードで、このモルフの元祖であるオーストリアのブリーダー、ハンス・ヨルク・ヴィナーさんの作出した個体です。

2012年9月30日日曜日

 今朝、小さい方のロンギコウダを見たらやたら大きくなっていることに気がつきました。動物を育てているとこういう「ある日見たらデッカクなっていた。」っていうのが、パターンとしてある気がします。湿度の管理とUV灯をおいてみたかった関係で今までヤドクガエル用ケージを勝手に子ヘビ部屋として使っていましたが、そろそろもっと大きな籠に引越しする時が来たようです。とりあえずの策として衣装ケージに移動させる。ここ2ヶ月の間に急に成長した感が有るので久々にまじまじ見ると、もう子供というよりかは単なるボアコンストリクターのミニチュア版という感じになっています(サイズはまだまだ小さいですが)。



 気になっていたおでこの鏃型の紋も黒くなってきたみたい(8月のメモに載せた写真と比べても大分黒化がすすんでいる)。生き物の子供を見ていると毎度のことながら、勝手に色々変化が起きてきて本当に良く出来ているなあ・・・と感心します。こうして目に見える以外にも、外からは窺い知れないような変化もいろいろ起こっているんでしょうね。この調子でドンドン黒々としていって欲しい。できればこのサドルの間の部分もなんというかこう、黒い小班だらけになって欲しい。ようは「もすこし小汚くなってほしい」ということですな。

2012年9月28日金曜日

 アンニュレートツリーボア(リングツリーボア)には比較的おとなしい個体が多いみたいなんです。これは初耳!色や斑紋などはちょっとぼんやりしていてそういう点ではインパクトには乏しいかもしれないけど、長く飼育する事を考慮すると、個体が有る程度気楽に扱える気性であることは重要ですね。特にいかにもツリーボアという外見でおとなしいというのは一考に値するのではないだろうか。成長が比較的遅くしっかりと成熟しきるのには5年ほどかかるらしいので、幼体時の色や斑紋を長く楽しめるのもいい。

2012年9月23日日曜日

 時間をとってシルク・ド・ソレイユ(トーテム)を観てきた。オープニング近くに出てくるダンサー、よく見ると皆アカメアマガエルとかイチゴヤドクガエルをモチーフにした全身タイツを着ていた。人間がそれをまとうことによって、動物や鳥などが生まれながらに持っている色やもようがいかに人間の発想の外側にあるかが浮き彫りになる。

2012年9月19日水曜日

 たまに読んでいたウェブ文芸誌に掲載されていた、松原卓二さんのコラムが連載終了になってしまった。この方はコンピューターゲームの開発者であり動物写真家でもあるという不思議な経歴をもっている人で、おもに動物のおかしみのある表情や情景を撮ってそこへ一筆をそえるという形で作品を公開している。ここまで書くと世の中に五万と居る動物写真家とそのくずれと同じような感じですが、この松原さんの書く文はすごく軽やかで、ちょこちょこっと書いたように見えるけど、よくみるとかなり気を遣って書かれていると思わせる点で異彩を放っている。 文章におけるこの「ちょこっと書いた感」 と「よーく思案した感」のあいだには溝があり多くの人が乗り越えられないので、素直に文が上手だなあーと思う。写真を撮る対象への感情移入もなんか自然で、読んでいて気持ち悪さを感じることがあまりない。

2012年9月8日土曜日

 今年の10月~来年の頭のあたりをめどに引っ越すことにしました。この2年半で5回目の転居なので、今回は向こう最低5年を見据えてちょっと腰をおちつけたく思っています。引っ越すにあたっての野望は、小さくても爬虫類専用の部屋を作ること、管理人を知っている人ならお馴染みと思われる〝世界のイシガメ水槽パート2"の設置、あと爬虫類関係ないですが観賞用鳩の小屋を日曜大工してまずは2、3羽から鳩の飼育を再開することです。因みに鳩と言えば、日本に居る時からずっと飼っている、もらい物の鳩がまだ元気でなんと今年で10歳になりました。正直こんなに長生きするとは思っていなかったけど、こうなったらいけるところまで頑張って欲しい。



 写真は2011年から今年にかけて発表された「キャンディストライプ」と呼ばれるブラジリアンレインボーボアの新しいモルフ。2007年に個人が繫殖した変わった模様をした2匹のボアの交配から得られたそうで、あの背中のマル模様がが全部繋がっている驚きもさることながらこの強いオレンジ色単体で見てもおもしろいと思います。この頭の部分とか大人になったら真っ黒になりそうで、そうしたらかなりカッコいいですね。ブラジリアンレインボーボアをストライプにする試み自体は以前から行われていて、2010年にフロリダで見たものは(別のブリーダーによる個体)体の60%以上の模様が既に繋がりあった状態になっていました。しかしそれらはこの写真の個体らと比べると色がもっと茶褐色系で模様のつながり方もより不完全だったため、現時点ではこの写真のモルフのがストライプとして最も完成度が高いといえると思います。ブリーダーの方によるとこのキャンディストライプレインボーボアの作出に使われた親ヘビは既に失われたそうなので、今後は残された数匹の子孫をもとに改良を重ねていくそうです。(Image by courtesy of David Colling)

2012年8月25日土曜日

 ボア科のヘビの飼育者の間でヘビエイズ、封入体病(IBD)等と言われている病気を引き起こすウイルスが発見されました。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者によると、このウイルスは人間に感染すると出血熱を起こす2種類のウイルスのマッシュアップ(混合体)だそう。アレナウイルスといってげっ歯類などに潜在感染し、それが偶発的にヒトに感染すると致命的な症状を起こすというものですが、今回ヘビから見つかったものはヒトへの感染力は全く無いそうです。研究者の間ではこれについて、ある時何らかの要因でたまたまこの2種類のウイルスを持ち合わせたヘビから新たなウイルスが発生したという意見と、現在知られている数種の出血熱ウイルスに分化する前の、原始的な段階にあるウイルスであるという2つの意見が出されています。現時点で未だ治療法は無く発症すると個体にとって致命的だという事に変わりはないですが、今回病原体が同定されたことによって、導入前に遺伝子を調べることでその個体がIBD感染しているかどうかを知ることが出来るようになりました。これは動物園、水族館や保護繫殖施設など一箇所に多くの生体を飼育しなくてはいけない場所では特に大事なことですね。興味の有る人はこの記事とか、このビデオとか、またナショナルジオグラフィックのウェブやヤフージャパンで日本語の記事が読めるようなので見てみてください。



 写真は全然関係ないけどベルギーの動物園にいたサンフランシスコガーターヘビ。ここの爬虫類館は小さくて汚くて古いですが、水槽の中はどれも結構真面目にビバリウムになっていて、古き良きヨーロッパのハーペトカルチャー風でなかなか良い感じでした。しかし肝心のヘビは皆してランプの傘の上に乗っかっていました。多分寒かったんだと思いますが、ガーターヘビの、「けして頭が良いわけではないのになぜか絶対人の思惑通りにはならない感じ」が出ていて、気に入っている写真です。

2012年8月24日金曜日

 更新:「旅行記」にVA州で行われた即売会の様子をアップしました

 家から40分ほどの小さな田舎町で開催されたローカル爬虫類即売会に行ってきました。即売会はガレージかほったて小屋に毛が生えたみたいな所で行われていましたが、入ったらさりげなくブライアン・シャープさんが居たので、どんな小さな即売会でも侮れないなーと改めて感じました。大変気さくな人で今年のデイトナエキスポについてとか、今米国内のショーで個人的おススメなど、爬虫類に長年携わる人ならではの貴重な意見を聴くことが出来た。アドバイスを元にいくつか面白そうなエキスポを見つけたので、できたら今年中に行って見たい。

2012年8月18日土曜日

 ヘビは伸縮性のある皮膚と柔らかい顎関節のおかげで体に対してかなり大きな餌でも呑み込むことが出来るというのは有名な話ですが、近年ビルマニシキヘビの研究によるとヘビが餌を飲み込んだ後、一部の内臓自体も大きくなる事が分かったそうです。内臓は単に餌によって拡張されているのではなく、ホルモンの働きが積極的に新しい細胞を作り出して、心臓を中心とする代謝器官のサイズが最大で元の1.5倍~2倍の大きさにまでなるとの事。これらの器官が食餌から12時間以内に成長をはじめ、76時間以内に最大になり、その後10日をかけて元の大きさまで戻るという、この一連の出来事の間、ヘビの身体の代謝スピードは平常時の40倍にのぼるのだとか。これがどんなホルモンの作用によって起きるのか解明されれば例えば人間の心臓病や心臓肥大の治療、果ては宇宙飛行士の心臓が萎縮するのを食い止めたり出来るのではないか?と考えられているらしい。米国では帰化問題で厄介者扱いされているビルマニシキヘビですが、未来の医療ではヘビの体内で育てた心筋を人間に移植!とかやっている可能性もあるかも知れないですね。自分も機会があったらちょっと試してみたいなー。


2012年8月15日水曜日

 フロリダでのナショナル・ブリーダーズエキスポに行く予定で準備していましたが、手配が上手くいかず今年は見送ることにしました。名目上北米最大のショーと言われ、見たいブリーダーもいるし、日本からもはるばる爬虫類仲間が来たりするイベントなのでとても残念です。今後の遠出予定は、タイミングが合えば西海岸(ロサンゼルスかサンディエゴ)のショーに行くと思います。ドイツは来年になりそう。個人的に最近欧州のショーが楽しいと思っているので、行ったら是非ハムショーをはじめ、ローカルの即売会なんかに足をのばしたいと思っています。あと中国にも行ってみたい。

2012年8月14日火曜日

 福島第一原発のまわりで採集されたシジミチョウに異変が見られたという記事がアメリカの科学雑誌にレポートされていました。日本の学者による調査で得られたサンプルをもとにまとめられた報告によるものだそうです。5月に一回目、9月に二回目の採集をし、最初の調査では12%のチョウに身体奇形などの異常が見られ、二回目の調査ではこの異常の率が28%に上昇したとされていました。また繫殖実験によって放射性物質によって起こされた遺伝子の異常が遺伝する事が分かりました(9月に採集されたチョウ同士の子孫の52%に異常が見られた)。この9月に採集されたサンプルの繫殖実験がラボ内で行われたのかどうかが分からないのではっきり断言できないけど、半数を超すチョウに異変が見られたということになります。記事によるとこの9月のグループは5月のグループと比べ生育期間中により放射性物質に露光したため、遺伝子の損傷がより進んだということのようです。この異常は班の大小や触覚の長さが変わるようなものから、重度になると羽が生まれつきしわしわだったり、成虫になれずに死んだりしたということです。



 ところでこのチョウチョの写真見てて思ったのがヘビの品種改良のことなんですが、アメリカとかだと、びっくりするような品種をほぼ毎年のように作り出すブリーダーがいますが、あれって普通にやってたら不可能だと思うのです(今は違うと思いますが、色々なモルフが作出されはじめた初期の段階で)。例えば米国で初めてアルビノのボア・コンストリクターが繁殖されたのは1990年とも、1993年とも言われていますが、それから若干20年足らず巷には様々なモルフがあふれるまでになりました。ボールパイソンの品種改良とか本格的に騒がれだしてからまだ10年経つか経たないか位なのに、これだけ沢山の品種があるのは不自然に思います。このチョウチョとか見てると、例えば、発生のごく初期の段階で極僅かな放射線をチョロッとあててやるだけで生き物には結構影響がありそうですね。医療用や食品用・セキュリティ用などに放射線を出す器具というのは案外身近にあふれているから、人によっては容易にアクセスすることができるでしょう。選択交配と改良の結果、模様や体色の原形をとどめないような品種を見ると、わーきれい、おもしろい、欲しいなあ~と思うこともありますが、なにか本質的な異様さを感じることもあります。とまれ、動物の遺伝子であそぶのは楽しいということで人間達はむかしから家畜やペットなどに対してこれを行ってきたわけですが、こうして新聞記事を見たり原子力・核依存社会に生きてみると、いつ自分たち人間の番がまわってきてもおかしくはないなと感じた今日でした。

2012年8月1日水曜日

 ジョーク系のニュースサイトをみていたらメクラヘビの新種発見!男性器にそっくり!という記事を発見。第一印象は「なんかでっかいな~」で、見た感じ明らかにメクラヘビではなさそうなので調べたところ、atretochoana eiselti -アトレトコアナ・エイセルティという全長80cmほどのミズアシナシイモリの一種みたいです。発見された場所はブラジルのアマゾン河の支流マデイラ川の一水域で、水力発電用のダムの水を抜いたところで発見されたそう。こんなに大きいのに肺が無いらしい。それにしてもアシナシイモリって、大きくてもなんだか非常に弱そうですね。「か弱い」の定義である華奢にも、色白にも当てはまらないくせにこの儚さとは一体・・・・・・

2012年7月31日火曜日

 サルの群れのなかで個体のもついわゆる「優しさ」の度合いには遺伝子が関係しているらしいです。動物の行動において「優しさ」と表現されているものは多分、他個体への寛容性とか、親和性のことを指すんだと思いますが、ニホンザルの研究では攻撃性を抑え沈静化するホルモンを受け取る受容体の遺伝子の違いによって、その個体がいわゆる「優しいサル」かどうかが変わることが分かっています。島などの限定された環境にいるサルのグループにこの「優しい」サルが多くみられるとの事から、生き物の持つ「優しさ」は遺伝子に乗って伝わっていくのではないかと最近では考えられているようです。家畜の始まりやロシアでの狐の飼い慣らし実験などに見られる不思議な現象の因子のひとつが突き止められたということになります。



 うちの小さい方のロンギコウダはどんな受容体がどんなホルモンを受け取ってるのか知りませんが、最近だんだん気が荒くなってきました。目つきがすごい嫌な感じです。近寄ると肺のあるあたりがフーフーハーハーします。この個体はメスなので多少は大きくなるだろうし、このまま凶暴になったら世話が面倒になりそうだなーと憂いています。ただの思春期(?)であってほしい飼い主心・・・唯一の救いは顔が整形後の釈由美子的に整っていて、どうも美人になりそうな感じだということだけ。ヘビにもなんとなく顔の美醜ってある気がします。

2012年7月30日月曜日

 ぺンシルバニア州つながりで2ヶ月ほど前のローカルニュースを思い出しました。これはこの州のふつうの民家の庭先で住人が野生のトウブハコガメを見つけたというだけのものなんですが、この腹甲に年号と名前が彫ってあったため、1965年にその家に住んでいた当時13歳の住人の息子がリリースしたものだと分かったそうです。この亀は最初に捕獲された時点で既に成体だったようなので、最低でも47歳以上ということになります。トウブハコガメはゆうに100年以上生きるというので、これでもまだまだ壮年といった所ですね。

2012年7月29日日曜日

 ペンシルバニア州のエキスポへ行こうと出かけていきましたがまさかの日時覚え間違いにより無人のエキスポセンターにたどりつくこととなりました。このままでは往復500キロの時間と手間と燃料が無駄になってしまう!ということで気を取り直し、フィラデルフィア市内にあるMütter Museum - ミュッター・ミュージアム / ムター・ミュージアムという、こじんまりとした18世紀医療の博物館へ。この博物館はとある大学教授のコレクションを基にした、医療器具のみならず実際に人間(主に病人・いろんな胎児・屍蝋化した遺体など)の様々な標本を収蔵していることで知られているようで、真摯に近代医療の歴史を紐解きたい多くの人々が訪れる人気スポットとなっています。自分は標本の方は大丈夫ですが医療器具のコーナーでチビリました。爬虫類飼育者なら「プローブ」と聞くと何をする道具かすぐ分かると思いますが、「バレットプローブ」という道具が「銃創の深度を計る道具」として置いてあり、ようは先をまるめただけの針金なんですけど(笑)これを鉄砲の弾が当たったところにニュルニュル入れたり出したりして組織の損壊度を調べるというものです。因みにこの時代に麻酔は発達していなかったので患者は医師から一杯のブランデーを渡されるだけだったそうです。粉砕骨折したら切開してその砕けた骨どうしの中にちょっと木片を入れてみたり。やめろぉぉぉ。初期のトレパネーションやロボトミー手術器具(という名の、ただの金属棒)など、そのあまりにも粗野な造形に医療技術の進歩を心底賛美しながら博物館を出、中華街でアヒルを食べて帰路に着きました。

2012年7月18日水曜日

 ランニングの帰り道、女性二人組が道端で悲鳴をあげているのが見えたので行ってみると、歩道と車道のふちに怒り狂ってるヘビを発見!近くに落ちていた棒で頭を押さえ、無事捕獲。ブラックラットスネークの亜成体でした。近くの緑地帯まで連れて行ってリリース、ちょっといい事をした気分。

2012年7月17日火曜日

 暑いです。管理人の携帯電話は飼育の参考にするためペルーの気温も表示するようになっていますが、トゥンベスなどは今冬季なのもありますが年間を通して一日の平均気温が30度を越えることは稀で、いわゆる南米といって想像される状態よりもかなり涼しい場所だということが分かります。かたや現在の北米北東部ですが40度を越える日々がちらほらしており、気温の上りすぎに頭を悩ませています。ボアコンチームは温度変化に寛容ですが、問題は夜間の冷房の塩梅で、これをきかせすぎるとサンドボアの餌食いが落ちることが分かったため、今夏は人間と蛇達の共存問題が課題です。暑いといえば、日本は新潟県でアカウミガメの産卵が確認されたというニュースを小耳にはさみました。今までの産卵の北限は石川県とのことなので、一気に300キロ近く北上したことになります。日本の近海で死滅回遊魚の見られる時期や種類もどんどん早まっているそうだし、周辺の環境に変化が起きているのは確実なように思います。

2012年7月4日水曜日

 アメリカにペンテコステという、宗教というよりはほぼカルト、というキリスト教の団体があります。ここの人たちはものすごいエキセントリックなパフォーマンスと共に説教をすることで有名です(その様子がどんなものか知りたい方はBORAT ボラットという映画を見てみてください)。先月、そのペンテコステ系の牧師がシンリンガラガラヘビにかまれて死亡というニュースがあったのですが、さすが変態カルトと驚いたのはこの牧師さん、自分が神に守られていることを示すため説法中にガラガラヘビをハンドリングしまくるという無茶苦茶を恒常的に行っていたらしい。ガラガラヘビが持っちゃうと意外と噛んでこない蛇だから出来たであろうこのパフォーマンスは、驚くべきことに、アメリカ東部の一部地域では昔盛んに行われていたものです。若者の宗教離れが進むにつれてこの説教法は廃れてきているそうですが、消え行く伝統に対してここまで「どうぞ、どうぞ」と思えたのも最近珍しかったのでここに書き残します。でも見方を変えるとこんなに蛇と共に生き、手の上の小さな爬虫類に命を託しちゃう人もそう居ないのではないか。そういう意味ではちょっとかっこいい……わけないか、やっぱりただの変な人。

2012年6月27日水曜日

 更新:「旅行記」にPA州でのエキスポの様子をアップしました。



小さいほうのロンギコウダ(らしき蛇)がうちに来てからだいたい10ヶ月が経過しました。ふにゃふにゃのヒモ期をなんとか脱して色模様も少し蛇らしくなってきた。哺乳類でいう、いわゆる「かわいい盛り」というやつですね。頭部に厚みがでてエラが張ってきたのですが、メスはこんなもんなのかな?ロンギコウダとインペレーターのミックスなんじゃないのかとか良からぬ妄想は尽きないのですが、とりあえず健康には育っているようです。健康がいちばん。子供なので餌はほぼ食べるだけ与えていますがかなりよく食べます。

2012年6月24日日曜日

 最後のピンタゾウガメが死んでしまったというニュースを見ました。飼育員の人の話によると、朝見たときはいつもと全く違う様子はなかったそうですが、暫くしてまた見てみたところ死んでいたらしい。一ヶ月ほど前に撮られたビデオを見たら、若干浮腫んでいるようにも見えたので、どこか内臓に問題があったのかも知れないですね。子孫を残さないまま地球上から消え去ってしまったことはとても残念でした。実際は毎日こうしている間にもどこかで何らかの生き物が絶滅しているというのが現状だろうと思うけど、ことガラパゴスゾウガメのように、人間の侵略さえなければそこで悠久に生き続けていったであろう動物が絶滅してしまうということは100%我々人間の落ち度であり、とても象徴的なことのように思える。最近丁度アル・ゴア元副大統領の地球温暖化に関するドキュメンタリーを見ていたりしたので特にそう感じた。フィルムのなかで地球環境について「これから『結果』の時代が始まる」と述べられていたけど、自分達は(文化的にも、環境保全の観点からも)過去ほんの200年の間に人類の文明が飛躍的に進歩したことへのツケを支払うという、この重い頚木を背負っていかねばならない世代なのだと思う。



 ところで(写真上)うちに変なボアコンストリクターが来ました。この蛇は自分の持ち物ではなく、同居人が出かけた先の即売会でなぜか大変気に入って、ペットとして購入したものです。男性用の弁当箱におさまりそうなくらい小さな小さなオスですがブリーダーさんによるとこれでもう性的には成熟しているらしい。体色はなんというか「ヤシガラ色」で、ソバカスだらけだし、ほっぺはピンク色だし、顔もなんかアヒルみたいで変な奴です。同居人曰く購入の決め手はこの色とサイズと「大らかな性格」らしい。確かに健康チェックのために口を開けても怒りもしなければ抵抗もしない様子には呆気にとられた。

2012年6月2日土曜日

 更新:「旅行記」にバルティモアのエキスポの様子をアップしました。

 最近、ディスパートゲオアガマとオビトゲオアガマの人為的な交雑と選択交配をしている人が居ると知り、写真を見てそのカッコよさに感動しているところです。ウクライナのテラリウムセンターに居た時、そこのおじさんが「カメレオンとアガマは熱い!なぜならこれらの動物の全貌について、誰も何も分かってないから」と力説していた意味がだんだん分かって来た気がする。アガマと言ってもユーロマスティクスだけではなく、ホカケ、カロテス、モリドラゴンなどを含むこの大きな属がアジアとか中東など訳のわからない島とか・極めて政情不安定な国の辺鄙な砂漠などに生息している訳だから、すごいミステリーだ。

2012年5月5日土曜日



 3月の日記に書いたスナボアの現在。タタールサンドボアなのかなんなのか、どういう環境を好むのかはっきりしないまま家に来てから2ヶ月が経ちました。その間見ていて思ったことは、この蛇は気温にけっこう敏感ということと、水を案外よく飲むということです。最終的にズーメッドのスポットライトで昼間はびしっと暑く、夜は無加温(室温)という状態が一番活発で餌もよく食べていたので、しばらくこの環境を維持して様子を見てみることにしました。スナボアの例に洩れず見かけによらず活動的で、動き回るときは90センチのケージでも少し手狭に感じる。この「水をよく飲む」とか「やたらに活動的」というのは飼育環境が正しくないときにも起こりえるので、これからもよくチェックを続けて見きわめたい。6/1追記:写真を交換しました。植わっている植物は南米産なので、テラリウムとしては正確なものではないです。

 おもしろかったのは、いつもの「丸太飼い」をやめてケージ内に巣穴や高低差・バスキングスポット的なものを設置したら、このスナボアがぼんやりと一日のスケジュールを決めてるらしきことが分かった事です。この蛇は、新しい環境に落ち着いてからは毎日午前中の遅い時間に巣穴から出てきて→バスキングスポットに行き→夕方まで寝て→その後短時間ちょろちょろ活動して水を飲んだり餌を食べたりする→暗くなると巣穴に戻って寝る(?)ということをかなり規則正しく繰り返している。フィールドなどでいつも特定の穴に巣食っているような動物がいるけども、このスナボアも野生下では結構あんな感じなのかもしれないと想像しています。夜、消灯してからはテレビの明かりなどが長時間当たっているとたまに出てくるので、基本は昼行性で(※)でも月が明るかったりすると行動するという感じなのかもしれない。やたら凶暴で掃除の時などはいつもフックとか鍋つかみで掴んでいるんですが、そんなんでも結構楽しくスナボアの面白さが分かってきたような気がする。※訂正:飼育書によれば夕暮れ時と早朝・未明時が野生のスナボアの主な行動時間帯ということです。

2012年5月2日水曜日

 最近自分のうちの蛇を世話していて気になったのは、蛇って実はかなりよく寝る生き物なのではないか?ということ。これは、実際獣医さん等に聞いたりして確認したわけではないので想像の域を出ないですが、暖かいところに丸まって微動だにせず、そして明るさに関係なく目の瞳孔がぴっちり閉じていたりすると寝ているのかな?と感じる。






 昨日またうちの蛇が寝ている(らしき)所を見るチャンスがあったので、写真に撮ってみました。一番上から熟睡している(らしき)状態→→→撮られているのに気付いて目を覚ました(らしき)ところ、という順に写真を並べてみた。(左の縮小された写真をクリックすると別ブラウザで開きます。その写真をさらにクリックすると拡大します)。目の瞳孔の様子を見ると全然違っているのが分かると思います。因みに一番下から2~3番目くらいまでがうち蛇が普段、所謂「起きてる」時の状態、一番下はなにか興奮さすような対象物(エサや人間)が現れたときになりやすい瞳の大きさ。あと、見ると常に寝ている時間帯というのもあって、うちの蛇の場合午前中の7時あたりと午後の3、4時あたりはいつ見ても必ず寝ています。

 一番上の写真のような、瞳孔が全く見えない状態というのは夜間、ケージ内に赤外線ランプ以外の光源が無いときにも見られるので=光によって起こっている現象ではないと言えるのかなあと思います。まぶたがないかわりに瞳孔が閉じるのだとしたら面白いですね。

2012年4月24日火曜日

 1月のメモにちょっと書いていた北米での大蛇飼育に関する法改定について。この法律は今年の1月23日に連邦法令集に発表されたもので、3月23日、レイシー法(違法な野生動物、魚、植物の売買を取り締まる)に基づいて4種の蛇を有害種と定め、取り締まることを決定されたものです。今回の法改正を主に推し進めてきたのは全米魚と野生動物検査機関(USFWS)、全米地質検査機関(USGS)、南フロリダ水系行政管理局(SFWMD)などに自然保護団体が少々という構成で、この法律によってアメリカ国内ではイエローアナコンダ・アフリカンロックパイソン(セバエ、ナタレンシス両方)・バーミーズパイソンの国外からの輸入、州の境界線を越えての輸送が禁止になりました。法を作るという点では2008年にUSFWSが提案したボア科の全種+47種のニシキヘビを有害種として規制するという無茶苦茶な法案が出されて以来、度々話し合われてきたことらしい。この2008年の案はアメリカの爬虫類愛好家のグループによって打ち消された。ということで満を持しての改正ということのようですが、個人的にこの法律にどのくらい実効力があるのか、皆が実際これを守るのかどうかかなり疑わしいんですが、とにかく制定されたことには間違いないので以降公式の場面ではこの法が作用していくことになります。自分としてはグリーンアナコンダとレティックは免れたにも拘わらず、イエローアナコンダが規制されたのがかなり腑に落ちず、これについて愛好家の間では、米国ではこういう規制を実行する前に法が産業にとってどの位のインパクトを持つか調査が完成されなくてはならないため、現時点でとりあえず最も影響の少ない(=流通量の多くない)種を規制して様子を見てみようという事なのではないかという意見が多数を占めていた。(というかやはり欲しいと思った時が飼い時だったのだなァ…、最近だんだん色彩変異個体なども固定されてきて、これから面白くなりそうという雰囲気だったので残念)

 まとめ、管理人はこの法律は州法止まりだと思っていたのでかなりがっかりしました。このような法を全米単位で共有する意味を全く感じない。バーミーズパイソンがフロリダで生態系を破壊しているのは紛れも無い事実であり、フロリダ州や似た気候や環境のある州の間でこの法が発行されるのは理にかなっているますが一方で、米国は広いのでバナナで釘が打てるような州も沢山あるわけです。フロリダでバーミーズパイソンの大規模な帰化が起こったのは無責任な飼育者による生体の投棄やハリケーンによる繫殖施設の損壊が直接のきっかけですが、上述したような気候的に帰化はあり得ない州というのが多く存在し、本法はそういう場所からも爬虫類ビジネスの可能性を奪ってしまっていると言える。一番の問題は、一連の法改定の動きを通して愛好家の間に不安要素を作ったこと。育てるのに比較的時間がかかり、長寿でもある大蛇を好きで飼っている人々にとって、自分の飼育動物が将来違法になるかもしれないという不安感は確実に購買意欲の減少につながると思う。これらの観点からもこの法律は、本来は州法レベルにして、そのかわりにフロリダ州や近隣州で厳戒な効力を発揮する法を制定し、そういう所に力を集中するべき法であったと言えると思う。

2012年4月13日金曜日

 茨城県で起こった事故の詳細を友達がメールで教えてくれた。本当に残念、二度と起こって欲しくない事。一方で、こういう事は大蛇を飼っている限り100%有り得る事だという意識もあるから複雑なところである。結局の所人間が野生のいきものを飼うというのはこういう事なのだろう。亡くなった方がどのように日々の管理を行っていたのかは分からないけれど、ひとつ言える事は、どんなに注意を払った所で潜在的に大怪我をしたり、最悪死ぬ危険があるのが大型の爬虫類や毒のある生き物を飼育するという事である。今回の事故は一般人の家庭ではなく、所謂プロショップのバックヤードで起こった事からもそれを再認識出来る。今、こういう生き物を飼育している人はこれを期に初心を思い出して、日々の世話に当たってほしい。

2012年4月5日木曜日

 国立博物館にティタノボア(タイタノボア、T. cerrejonensis)の完全模型がやってくるというので週末にキッズ達に混じって見物してきました。ティタノボア(タイタノボア)というのは今からおよそ6000万年前に南米、今のコロンビアのあたりに生息していた体長13~15m・体重1.1t以上の古代ボアで、成体はもっぱら古代ワニを専食していたというばかばかしいほど巨大な蛇です。予習のために見ていた雑誌の記事では模型はグリーンアナコンダをモデルにしているものと紹介していましたが、大型化すると体重を支えるために筋肉量が大幅に増えるため、かなりずんぐりした体型で実物の模型はどちらかというとスナボアを連想する顔と雰囲気でした。この体重と体型から推定されるティタノボアが獲物をコンストリクトする時のパワーは莫大で、獲物の体表面1c㎡あたり約130kgの圧がかかることになっていたらしい…、VS人間を想像すると巻かれた瞬間にグニャグニャに粉砕されることになる。ずっとずっと昔こんな化け物みたいな蛇が地球上を這い回っていた事はなんだか信じられないような気もするが、今生きているボア達はその生き証人ということだし、なによりうちにもその末裔が(ずいぶん小型化したとはいえ)3匹もいるんだと思うと結構感慨深い。



 ワニ食い蛇といえば、博物館のついでに今国立水族館に来ている白いアメリカアリゲーターも見に行き、やはりワニのかっこよさは特別だ!という認識を新たにしてきました。アルビノのワニは小学校の低学年の頃にサンシャイン国際水族館の特設展で見て以来だったので、あらためてその神様のような美しさに魅了され、家に帰ってから早速幼体の販売価格を調査(笑)。繁殖はそれほど難しくなさそうなのに案外流通していないあたりが希少価値を高めていて、欲しい気持ちに拍車をかける。暖かいところで一軒家を買い、プールをアリゲーター用に改造するなどすれば意外と飼育は容易な気がする(実際、フロリダあたりでは普通の民家のプールにワニが居候しているかどで、消防隊が呼ばれる事は結構よくある)。パティオで茶でも飲みながら庭の白いゲイターを鑑賞…など、かなり夢の展開である。管理人は客観的に見てかなり蛇が好きな人間だと思いますが、こんなのが家にいたらそんな自分でも「もう他になにもいらぬ」という心境になるかもしれない。

 とりあえず、野生下でも50年以上生きるらしいから飼いきることを考えたらそろそろ買ってこないと間に合わないな(笑)唯一の難点は管理人が暑さと暑い州が苦手なことか。

2012年3月25日日曜日

 小さいほうのボアコンの現在。どんな種類の蛇でも、この時期の仔は掃除するたびに手に取ると大きくなってるかんじがして楽しい。今日取り出したら、なんかサドルの色がちゃんとしてきたなと感じて、去年の写真とかと比べて見たりしていました。頭部の鏃型の模様の色素が薄いのが気になるな~このまま大きくなっていったら黒くなるんだろか。ならなかったら頭だけシルバーとか言わなくてはならないのだろうか。わくわくと心配が混ざったような心地ですが、これが1年以上続くのか…



 話は変わって、また今月もいつのまにか爬虫類の雑誌が郵便受けに届いていました。この雑誌、薄っぺらのペラペラなんだけど5冊のうち1冊くらいの割合で不意におもしろい情報とか豆知識とかが載っているのでとるのをやめることが出来ず困っている。今回は質疑応答のコーナーにおもしろい質問が載っていて、「今日び、世の中になぜこんなに沢山のアブノーマル(原文ママ)な蛇たちが殖やされているのですか?アルビノやその他のミュータントが自然の姿より美しいとは到底思えません。もし出来るならこれらの不自然な色をした蛇達(を飼ったり、殖やすこと)を規制したい。」という、ちょっと極端だけど一応蛇への愛情は伝わってくる問いでした。これに答えたおじさんというのが本国においてハーペトカルチャーのいわば黎明期ともいえる60~70年代からコーンスネークの繫殖に携わっていた人で、この倫理的な問題に対して上手に回答していたので感心した。アメリカでは、爬虫類を飼ったり売ったり殖やしたりする文化が商業的に成功したことによって、この手の倫理問題に関する人々の解釈も成熟してきてるような印象がある。おじさんの回答の中に「では逆に、色や模様のミューテーションを作ったり、残していくことがこの文化自体に対してどんな意味・影響をもつと思いますか?」という重要な問いがあった。この問いに、爬虫類をとりまく産業を理解するためのヒントがかくされていると思う。

 ちょっと目から鱗だったのが、自然の形態そのままの生き物にしかよさを感じないと暗に伝えている質問者に対するおじさんの「累代に亘って人間の飼育下にあると、爬虫類の外貌はたとえノーマルの血統であっても、自然下で見られる様相とは異なっていくものである」という経験に基づく指摘。飼育下の繫殖ではどこかに繁殖家の模様や色彩の好みのバイアスがかかるので、CB個体が市場を圧倒的に支配している現在のアメリカのペットトレード上において、何をもってその個体が「ノーマル」か、自然のままの姿かというかはもはや明文化することは出来ないのだということ。これを読んで、考えれば当たり前の事だけれども、なるほどな~と思っていた今日です。

2012年3月17日土曜日

 更新 :「旅行記」に下のスナボアを購入するきっかけになったリッチモンドレプタイルショーのもようをアップしました。



 大きいほうのボアコン、脱皮から丁度一週間後の様子。なんとなく最近引越し等のストレスから完全復活したように感じます。こちらは最近急にあたたかくなり、のみならず殆ど夏か?と思うような日もちらほら出てきたためかもしれません。夏と言えば残念なのは、先夏は人気のない場所に住んでいたおかげで気候のよい日に日光浴をさせたり出来ていたのが、今住んでいる場所(けっこう街中)だと難しそうなこと。蛇に紫外線は必要ないということは知識として頭の中にありつつも、ロンギコウダのように「黒いところはより黒くあるべし」みたいな生き物に対してはちょろっと日光を当てたくなる気持ちがある。そういえば去年の7月に怪我した鼻の頭の部分ですが、治ったものの模様などは復活しなさそうな雰囲気です。かさぶたのあった所は新たに大きい鱗が数枚出来て、それが放射状に並んでいるのでちょっと菊のご紋みたいになっています。この菊のご紋のせいで首から吻部まで一直線に続いていた黒い線が途切れてしまった。傷跡などはあまり気にならない方ですが、あの線のおかげでいかにもロンギコウダらしい顔になっていたので少し残念です。

2012年3月10日土曜日

 震災から一年が経過しました。この地震による物的・人的被害の大きさもさることながら、やっぱり被災した地方に住む爬虫類飼育者の皆さんの事を思います。爬虫類だけに限りませんが、やはり生き物の愛好家の皆さんはふだんから自分の時間やお金を使って、大切に生き物を育んでいると思います。知り合いに熱狂的な蘭のコレクターがいましたが、阪神の震災で数十年を費やしたコレクション全てを失って、その趣味自体をやめてしまった方がいます。植物の人たちは概して、コレクションやその維持に人生の長い時間を捧げるので、それを失ったショックなどは大変なものだと思う。震災に比べたらめちゃくちゃ小さなことですが、自分の住んでるビルでもこの間火災の警報が出て、自分の人生に関わる重要書類を持ち出した以外は手ぶらで避難せねばならなかったことがあり、たった2匹しかいない蛇でも非常事態下では助けてやれなくなくなるんだなあ…と実感しました(火災自体はごく小さなボヤ程度だった)。

 植物や魚類、特に温帯以上の気候帯に住む爬虫類を飼育している場合平素からいくら備えを充実させておいたとしても、冬の日本や北米などでは有事の際生き物を死なせてしまう可能性があるという、ある程度の覚悟は必要だなと思いました。爬虫類を飼うことは趣味だから、自分の好きな動物を自由に飼いたい気持ちは当たり前ですが、一匹一匹の生き物を大事に飼う観点で逆に「自分の物質的・地理的状況からだとどのような生き物が飼えるか」という考えもやはり大事だと思った。日本の震災の例では単純に、加温に気を使わなくても良い種がより生き残るチャンスを得たと思う。飼育者同士のネットワークが上手く作用する犬や猫と違い、変温動物にとっては電気や交通の遮断された中、被災直後から一定期間をいかに乗り切るかが命運の転換点になると思う。



 ・・・ということが関係しているのかどうかは謎ですが、ボアの中では一番逆境に強いと思われるグループの一員がやってきた。スナボアは昔ショップでキープするのを手伝ったり、預かったりしたことがあるのみで全然詳しくないのですが、これはタタールサンドボアなのかなあと思っています(なんか違うような気もする)。スナボアのくせに結構顔がいいです。隙あらば噛もうとしてきます。

2012年3月1日木曜日

 毎月いつのまにかポストに届いてる爬虫類の雑誌。今月のはベーレンパイソンの特集とグランディスヒルヤモリのバリエーションについてだった。ヒルヤモリって日本で特に人気のあるイメージはないですが、欧米では熱狂的なファンがいてるグループで、思えドイツのハムのショーでも斜めに傾いた浅い、大型の観察箱をいくつもの小部屋に仕切ったような展示ケースにヒルヤモリばかりがちょろちょろとしているのを結構多く見かけた。こんなにバリエーション(12タイプくらいが紹介されていた)があるとは知らなかったなあ…。とちょっと一瞬、ヒルヤモリを飼っているとこを想像してみましたがなんかしっくり来なかった。スタンディングヒルヤモリあたりならぎりぎり頑張れそうかもしれない。ともあれ、近年存在意義が問われて久しい紙媒体のメディアですが、こうして自分の興味の向いてる先とは違う題材に自然と目が向く良いきっかけになるという点で、誰かが「Edit」したものを読むことは、まだまだ意義深いなあと思いました。

 そんななかで家の動物達ですが、小さいほうのボアコンも最近は自力で脱皮出来るようになり、引越し後ちょっと?だったフンの状態もよくなってきた(大きいボアコンの方もしかり)。うちは蛇だけでなく蘭とか、酵母菌とかケフィア菌も飼っていますが、皆一様に元気良くなってきたので冬場の環境の変化というのはどんなに気をつけててもこういう生き物にダメージを与えるんだなあということが分かった。

2012年2月8日水曜日

 アフリカで新種の毒蛇が見つかって、マチルダズ・ホーンド・バイパー(Atheris matildae)と命名されたそうです。ナショナルジオグラフィックの写真を見たらグリーンの目をした鮮やかな配色のとてもきれいな蛇でした。この種はウサンバラブッシュバイパーに似ているけどそれより大きく、体鱗列数とミトコンドリアDNAの塩基配列に相違があったことから新種と確定されたらしいです。ペットトレードによってダメージを受けないようすでに採集地は伏せられているそうです。なんてなんて、まるまる記事の受け売りみたいな事を書いてしまいました、しかし、別嬪揃いのブッシュバイパー属にまたひとつ「お綺麗な方」が加わって、とてもめでたい事です。この仲間は欧米では猛烈に人気があるので生息地を伏せなくてはいけないのも頷けます。特にアフリカは欧州が近いのが危険ですね、毒蛇が大好きな国ドイツとか、ドイツや、あとドイツなどがいますからね。

 でも…管理人がいいなあと思うのは正統派のクサリヘビ属の蛇と、ヨロイハブ属です←ちょっとミーハーでしょか。

2012年2月7日火曜日

 千石正一先生が亡くなった事をニュースで知りました。近年はずっと体調がすぐれないと人づてに耳にすることが多かった先生ですが、ついに亡くなられたと知って、大変残念に思いました。爬虫類のことについて、学術的なバックグラウンドをもっていて、メディアや行政に対して発言力のある人というのは多くない中、氏はその貴重な人の中の一人だったと思います。小学校の頃は、爬虫類の研究者で見た目もいかにもあやしい・あきらかに普通の大人じゃないかんじの先生のいでたちをテレビで見てゲラゲラ笑ったり、分かりやすい解説に聞き入ったりしていたし、中高のころは雑誌「ハペトロジー」を読んだり、また時たま都内の専門店で目にする氏に対して親しみを覚えていました。

 そういえば自分がまだ中学生くらいだったあるとき、専門店で売られている真っ黒なクサガメを見入っていたら千石先生が話しかけてくれたことがあった。戸棚からさっと本を持ってきて目的のページをぱっぱと開いて、成熟したオスのクサガメの黒化について教えてくれたことを、今でもとても鮮明に覚えています。とにかく、そこらへんにいるなんだかよくわからぬような子供にも、爬虫類に興味があるとあらば熱心に教えてくれるような方だったと思う。そんな先生が時に「爬虫類なんか飼うな」と発言されていたことも、憶えておきたいことです。自分にとって爬虫類をただ飼って消費するだけでなくて、まめに今日はどうだった、フンはああだったとかのメモをとったり、何らかのフィードバックを残す習慣がついたのも先生をはじめとする人たちの影響だと思う。そうして考えると、単なるいち学者さんとしてどうのこうのという事ではなく、氏の日本のハーペトカルチャーに対する文化的な貢献度は無限大だったと思う。心よりご冥福をお祈りします。

2012年1月22日日曜日



 少しの間に色々なことが起こっています。まず、いくつか13日の日記に書いたコピーライトに関する法案は、日本の新聞でも取りざたされているのを見ましたが、各企業や一般からの反発があまりにも激しく、取り下げになりました。管理人は自分のみみっちい寄付が無駄にならずにすんだと喜んでいました。それが2日前で、今度は自分の住むバージニア州のエキゾチックアニマルに関する改正法案に対して、異議を訴える手紙と、多分爬虫類の事を良くわかってないであろう役所の人たち(このあたり、日本もアメリカも同じですね)のために薄い冊子をつけてみようかと思って、作成中です。この他にも別件で地元の法律関係の事務所に簡単な意見書を出したりしてばたばたとしていました。

 話は変わって上の写真ですが、フロリダでボア屋さんをしているOrlandoさんという人のところにいるボアコンストリクターです(写真は了承の上使用しています)。どうでしょか?自分はかなりかっこいいと思ったのですが…。ちょっと前の記事で「ブロック型のがかっこいい」と言ってしまったロンギコウダのサドルですが、訂正します。最近、いろんな所で選択交配の成果がぼちぼちと現れてきているように見えるロンギですが、この個体(因みに選択交配ではなく偶然の産物とのこと)のような表現は見たこともなく、想像したこともなく、意表をつかれたような気分です。品種のことについてはあまり分からないので断定できませんが、これはモトレーということになるのかな?今の所ブリーダーさんの所ではただ「黒っぽい仔」と呼ばれているこの個体ですが、もう一匹別の兄弟も同じようなかんじということで、遺伝の方にも期待が持てそうとのこと。それにしてもかっこいいヘビだ!ぜひ実物を見てみたいです。

2012年1月16日月曜日

 多分、蛇を飼ってる人なら皆一度は考えたことがあると思う「実際、蛇の知能ってどのくらいなのか」という事について考えていた。機械的な判別法だと脳化指数というのを計算するという方法で他の生物と大まかな比較をすることが出来るようだけど、脳みその重さを知っていないと難しい。周りにボアコンの脳みその重さを知っていそうな人を見つけたら聞いてみたいと思うがそんな人なかなかいなさそうだ。もちろん生物によって、またどのような行動に特化しているかなどによっても脳の発達も違うだろうし、それに伴う脳の容積も変わるだろうし、もっと言えば動物の、「見た目、頭がいい」と感じさせる行動は実際の知的レベルの高低とはあまり関係ないこともあるだろうから、単純に「この指数がどうだから云々」とはならないのかもしれない。








 このことを考えだすきっかけになったのが今日フライデーした写真(上)で、壊れた温度計を新しいものにしたら遠くで寝てた蛇がわざわざ起きて見に(嗅ぎに)きているところ。別に大したことではなのですが、今まで飼っていて計3回温度計を取り替え、うち3回とも同じような反応をしているんで気になりだした。個人的に、一般的に大蛇といわれるグループに関しては表現に違いはあれど小鳥(キンカ鳥とか)よりちょっと劣るかそのくらいの知力はあるような気がしていたので、こうして未知の物体の様子を見に来ているふうなのを見ると、改めて、実は結構頭いいのでは?と思う。蛇にとっては、温度計の匂いを嗅ぐことも、ケージの中に現れた未知のものを確認することも、「生命の維持」という生き物の基本的命題に対してあまり必要なさそうな事とに思われるので余計、どうしてこんなことするんだろう?と不思議になる。温度計からなにか気になる匂いでも出ているんだろか。

 と同時に、生活環境のなかで真新しいものの存在に気付くということ=前からあるものとそうでないものの区別がハッキリついているとも考えられるけど、もしそうなら飼育下におかれたヘビというのは、多かれ少なかれ「狭い場所で常に同じところをぐるぐる這い回っている」のをちゃんとヘビ自身が知っているということになる。考えれば当たり前のような事だけど、結構ストレスがたまりそうだと感じた。

2012年1月12日木曜日

 きのうか一昨日のニュースで見ましたが、アメリカの議会が「知財を保護する法案をもっと強力に打ち出そう」という法案を議題にあげるかどうか、ということで揉めています。知財のことなど自分のような一介の爬虫類好きには関係ないように思われるけども、今回の法案の中に(引用元を明記するとしないとに関わらず・営利非営利に関わらず)誰かの知的所有権下にあるものを、特にウェブ上に引用する行為自体を禁止、というかなり大胆なアイデアが含まれていて、ここが問題の焦点です。この法案が通ると何が起きるかというと、例えばこのBOA.NOTEでは、洋書やいずこかの英文サイトに載っていた飼育手引きをそのままコピペなどは違法になるのですな(しないけど)。

 この例えだと規模が小さすぎてあまり影響らしい影響は見えないかもしれませんが、たとえばウェブ上の情報サービスや一部のソーシャルネットワーキングサービス、ウェブ上のオープンソースの百科事典などでも同様のことが起こると考えると、また違った反応になるのではないかと思う。現に、オープンソース百科の大手であるウィキペディアはこういう議題のアイデアが出ている時点でかなり拒絶反応を示していて、有事の際はプロテストとしてウィキペディアの全ページを閉鎖する方針らしい。日本でも日ごろ、ウィキペディアのお世話になっている人も多いと思うけれども、そういう人にも関係してくる話題だとおもう。マイナーな爬虫類が好きで飼っている人などにとってウェブ上にある(ボランティア的にアップされた)製作者が明らかなテクストなんかはとても役立つけれど、そういうのも駄目になってくるということだ。今はまだ案件の状態だけどこれからどうなるのか見守りたいところ。とりあえずニュースを見た後ウィキに何十ドルか寄付した。

2012年1月7日土曜日


 1月になりました。自分にとって西暦2000年を迎えてからの事というのにあまり現実味がないというか、いまいちピンと来ないうちに既に12年経過しているというのがかなり怖い。とまれ今年もせっせと飼育ケージを掃除し・餌を運び・観察おこたらず、蛇君達がすこやかに暮らしていける一年にしたいです。↑チビスケが登り木に登って休んでいるところを発見、漫画の悪役のような顔をしていたので写真に撮った。プーシキンは元日に餌を食べ飼い主と同じく寝正月を過ごしました。窓の外は雪なので、昼寝をしている蛇とのギャップが可笑しい。趣味人としての今年の抱負は、引き続きいろんなエキスポなどに可能な限り行って見ること、いいかげん記録を整理すること、本やネットにかぎらずいろんな人の書いたものを進んでたくさん読むこと。あと蛇が実際に棲む場所をたずねてみる事。夢は大きくというので南米やバハマス、中央&南アジア!などと言いたいところですがまずはまわり(アメリカ)から。手始めに、暖かくなったらルイジアナ州あたりで、本物のバターミルクレーサーを見るなどしてみたい。ル州にはバンデットウォータースネークの一番きれいな亜種(と個人的には思う)もいるので、ちょっと気になる州です。