2012年11月30日金曜日

 「スコリアボア」と聞いてビジュアル的にさっとどんなヘビか思い当たる人ってあまりいないのではないかと思います。この、数あるボアコンストリクターの中でもごく一部の繁殖家の間でしか取引されていない非常に独特な無斑のボア達は、長い間マーケットの表舞台から消えており、今でも詳細(遺伝情報なども含め)まで詳しく知っている人はたぶん殆ど居ないと思われるほぼ幻の品種です。これをたまたま思い出す機会があったので、これを期におさらいしてみたいと思う。尚、ここから先は管理人がホビイストの間で飛び交っている伝聞や噂から重要部分を抽出・要約したもので、実際に自分の目で確認を行った情報ではないことを念頭に置いて読んで欲しいと思います。

 スコリアボアの歴史はとても浅く、2003年に北米の個人の繁殖家が偶然作出した1個体からはじまっている。この人は同じ両親からの交配を少なくとも2回、その子供と両親との戻し交配を少なくとも1回行って、少なくとも8匹のスコリアボアを生み出した。このもとになった両親はどちらもCBだったと言われているけれども、定かではありません。というのも、さらにさかのぼって2000年頃にカリフォルニアの爬虫類やさんに飼われていたWCのメスが(見た人曰く)「非常にスコリア的な外貌」をもっていた事で知られているため、実際にこの品種の祖になった両親が本当にいわゆるふつうのヘビだったのかどうかは未だにナゾなんだそう。本筋に戻って、2003年、4年に生産されたスコリアボアの子供達は、2005年頃までに死んだり他のブリーダーの手に渡ったりして、いったん表舞台から消えました。今時の繁殖家はホームページなどで情報発信しているのが普通だけど、たまたまこの時スコリアボアを購入した人々があまり情報開示しないタイプの人たちだったようで、その後、転売も繁殖の成果もぷっつりと聞かれなくなったために「遺伝しない一代限りの変異だった」「性質が弱く、成長する過程で全て死んでしまった」という、まことしやかな噂が囁かれるだけとなり、徐々に取りざたされることもなくなっていきました。

 そして下がこれら諸々を考え出すきっかけとなった個体の写真。2012年に再び突然あらわれた、現在のスコリアボア。このおもしろい体色は成長の過程で暗くはなるけれど、ほぼそのまま大きくなります。なによりもこの、斑紋の消え方が特徴的というか、現存するどのパターンレスとも似ていない。皆のうわさや見立てに反して、健康に成長し、ちゃんと同じ特徴をもつ子を作ることができたことも明らかになった。こういうアッと驚くどんでんがえしみたいな事があるから、趣味の世界って面白い。


2012年11月20日火曜日

 ドイツより、エギザンティック ジャガーカーペットパイソン。一匹のエギザンティックのカーペットパイソンをもとに、最初の100%ヘテロの仔がとれたのが2005年、それから4年がかりの育成を経て今年初めてアネリジャガーを生み出すことに成功したそう。作出者によればこの、黒い色素が最小限に抑えれた体色は脱皮を繰り返すごとに明るくなっていくそう。てことは成長したら、あのカーペット独特の艶消しのプラスチックみたいな鱗の色や質感と体色が相まって殆ど白黒状態になったりして。現地ではエギザンティックゼブラ、エギザンティックゼブラジャガーなど早くも「選べる状態」になっており、彼らの作業の早さに圧倒されます。たぶんグラナイトもそのうちエギザン化されるでしょう。なんかドイツに住みたくなってきた。


2012年11月17日土曜日

 近頃は迷信的に嫌われるということは減ってきたにせよ、やはり見つかると嫌がられる事の多い蛇。管理人も、沢へ釣りに行って釣り人に踏み殺されたヘビを何回か見かけたことがあります。田舎だからだったのかも知れないですが、ただのミズヘビみたないのでもこの扱いなので、こと毒蛇に対する一般の人の嫌悪感は想像するにた易い。

 毒蛇の持つ毒は我々のあずかり知らないところで医療や製薬の分野に貢献していて、実は沢山の人を助けています。統計によると、北米では一年間に起こる心臓発作のうち150万件にピグミーガラガラヘビの毒から造られた薬が使われています。マレーピットバイパーの毒を元に開発された薬は、毎年79万5千件の脳卒中の治療として、出来てしまった血栓を溶かすのに使われているそう。22万5千件ある新しい乳癌のケースに対して、アメリカマムシ(カパーヘッド)の毒をもとに造った薬は腫瘍細胞の生育と拡散を遅らせ、またこれらの細胞を供給する血流を阻害する有効な治療法として期待されています。こういう事実がより多く知られる事によって皆が蛇を突然「大好き」にならないまでも、無意味に殺してしまう人の考え方がだんだんに変わっていくといいと思う。

2012年11月1日木曜日

 「小さいロンギ(?)」が来てから大体一年たちました。去年の今頃即売会で買い求めた時は片手のひらにちょこっと乗る程度だったのが嘘の様に大きくなっています。最近は常に腹が減ってしかたがないらしく、動くものにはなんでも飛び掛って、とりあえず食いついてから考えることにしているらしい。食べれば食べた分だけ排泄物が押し出されるという単純なところてん式なので、業務用ペーパータオルなどというものをこの蛇のためだけに買い置きしています。これが意外とかさばる。