2013年7月29日月曜日

 更新 「コラムのページ」に訳カエルの次はヘビが?北米で新しい真菌性の感染症に専門家の警笛をアップしました。

 最近また両生類の保護に関する米国内の一部の法律に動きがありそうで、気になるところではあるけど、これに関してはまだあんまり思うことが無い。有尾類は結構好きなのでもし飼えなくなったら残念だな、位。わけのわからないお役所仕事的法律(※)さえ制定されなければ良いと思う反面、個人的には、両生類は今よりももっと真剣に保護されたほうが良いと考えています。カエルやイモリって、場所によってはどこでも居るから軽んじられやすいけれど、実はかなり繊細なので大切にしていかなければいけない生き物です。イモリなんか日本でも皆興味本位で買ってみて→数年後飽きて→干しちゃったり、煮ちゃったり、溶かしちゃったりっていう末路をたどるものがかなり多いんではないかと思う。両生類は一部のカエル等を除いて基本的に消費される一方なグループでもある。ペット産業上でそのような消費のされ方をしてきた生き物に対するつけは、やっぱりどこかで払わなくてはいけない。 ※今回の法律(通称CatX)は、法改定のプロセスがより体制寄りで、様々な立場にいる人々が色々な意見を差し挟む機会が殆ど設けられないうちにどんどん制定されていきそうなところが大きな問題点として話題になっている。

 全然関係ない話題をもうひとつ。土曜丑の日を前に、日本の新聞ではウナギの価格の高騰が騒がれていますね。マグロの時もそうだったけど、日本の報道機関はある特定の食材の確保に規制が設けられようとする時、価格が上がるとか、もう食べられなくなる、ということにばかり注目して、「なぜそうなるのか」を詳しく啓蒙しようとする姿勢に欠けている。牧場で育つ産業動物と違い多くの魚は未だ、野生の生き物であり、資源です。メディアが主導で保護意識を盛り立てていかなければ20年たらずで世界の漁場は荒廃するだろうという、かなりヤバイ状況であるのにもかかわらず。と、ウナギ絶ち暦5年目の管理人は思ったのでした。

2013年7月24日水曜日

 パリ第6大学の研究者による最近のコモチカナヘビの研究で、おもしろい事が分かったらしい。内容はこうです。研究者が南仏で捕獲した120匹のコモチカナヘビのメス親から生まれたばかりの幼体のうち、半数に施設内で「最初の餌」をやり、残りの半数には何もせずにもとの生息地に放ち、その後2年にわたって追跡調査をしたそうです。すると、始めに餌をもらったグループはリリースされた場所に留まった個体の割合がより多く、また餌を貰わなかったグループは、2年後により大きな子供を生む傾向にあったことが分かったんだそうです。これによりコモチカナヘビの行動は、彼らの生活史における初期のほんのささいな出来事に起因して、変化するのではないかと考えられました。これって、前者のグループは生まれて早々に捕食に成功するという体験によって「餌が豊富にあるだろう」と想定されたその場所に留まり、後者のグループは、生まれてから一定期間を飢えて過ごしたために、その後より活動範囲を広げて、子世代に到るまで生存に有利となるような行動が誘発されたということになるのかな。子が大きくなるというのは何らかの遺伝的なレベルで活性化されているようにも思えます。

 遺伝的云々といえば、以前読んだものなどによれば、我々人間の遺伝子も食生活や生活習慣によって案外簡単に活性的になったり・不活性的になったりするようです。極端な例だとある一世代の人が飢饉や旱魃など経験する事によって、それ以降の子世代はより効率的に脂肪を蓄えるようになったりとか。これは、もともと厳しい自然があったアフリカやヨーロッパにオリジンのある人々がアメリカに来て劇的に太る原因のひとつとされています。コモチカナヘビに見られたように、日ごろの些細な選択の結果、実は何らかの変化が知らず知らず我々の生活に起きているという可能性も、結構あるのかも知れない。

2013年7月15日月曜日

 寝る前にJ.G.フレーザー著、青江舜二朗訳「火の起源の神話」を少し読んだ。各地の先住民の民話を集めた本です。昔話で、こと話題が火とか雷・大水となるとヘビの出番が多いので読んでいておもしろかった。そして昔うちのまわりに住んでいたチェロキー族の民話によると、このへんのブラックレーサーやブラックラットスネークが今でも黒いのは、彼らの先祖が「火を取りに行こうとして失敗した(煤で焼けてしまった)」からだそうです。ブラックラットスネークはつい先週も藪で見たばかりだったので、なんだか彼らを急に身近に感じた。

2013年7月13日土曜日

 更新 「見聞録」に地方の湖に行った時の事をすこし書きました。爬虫類の事はチョットだけで大部分は釣った魚を食べる話に終始しています
    「コラムのページ」にコブラバイパー(アゼミオプス)の博物誌についての個人のブログをのせました。


 最近、例の「ちいさいロンギ」がもうあまり小さくなくなってきた件について。2歳まであと4ヶ月を残すところとなりました。余り熱心に餌をやってないので爆発的成長は見せないもののなんとな~くじりじりと大きくなってきており、3月のメモに写っている水入れにはもう入らなくなってしまいました。しかしこうやって改めて写真を見ると、もう一匹のロンギとは顔が大分違なります。「大きいロンギ」の方はもっと顔に丸みがあって目が占める比率も少し大きめで、どことなくカエルっぽいちょっと間抜け顔です。誰が言い始めたのか「犬顔」「馬面」として吻が長い印象があるとされる亜種ですが、その中にもこうして色んな顔の個体がいると思うとなんだか人間みたいですね。ヘビは一部種類ではオスとメスの頭部の比率に有意差が認められることもあるようなので、ボアの顔立ちに性差があっても不思議はないかもしれません。

2013年7月10日水曜日



 これ、ボアコンストリクターのキーパーの間で最近ちょっと話題の道具で、スペキュラム(スペクラム)といって様々なサイズのヘビ・トカゲ等の口を開けさせるためのものです。爬虫類にとって口腔内の様子は個体の健康状態のひとつのバロメーターであり、実際アメリカのブリーダーの中には、買う前にヘビの口の中を見せてくれる人もいます。また毒蛇のキーパーや研究施設などでは時おり採毒等も行わなければなりません。ところが一説によるとこの口内のチェックの時にヒト・もしくは個体が怪我を負うケースが案外多いのだとか。またこの行為そのものが個体にかけるストレスもかなりのものなので、この口チェックを手早く・容易にしてくれる道具の登場が待たれていました。スペキュラムは大体2500円程度で様々なサイズがあり、使用者いわく「かなり便利」との事。日本でもテレホンカードが絶滅危惧種となっている昨今、あると便利かもしれません。※ここを読んでいる(超少数と思われる)人たちでもし欲しい方が居たら、左サイドバーのメールアドレスにてお知らせ下さい。

 ところで爬虫類とは全然関係ないけど、ニュースを見て「えっ!」とびっくりした事・・・・・・コモンマーモセットって盲腸に味覚があるらしい。舌の様に味蕾があるわけではないので、危惧したように日々ウンウンを味わっているということではないにせよ、味を感じ取る特定の蛋白質が分布していて、その数(密度?)自体は舌のそれとあまり変わりがないらしい。ここから先はリンク記事からは脱線するけど、もっとおどろくのはヒトの腸にもそのような味覚の受容体があるらしい。さらに甘みだけでなく、辛み、苦み、脂みまでも感じ取っているとか。腸というのは栄養の殆どを吸収する器官なので、こうして消化物の味をもとに食べたものについて体が分析、それをもとにして各種ホルモンの分泌を促すことが重要らしい。

2013年7月7日日曜日

 シシバナヘビが好きで買ってる人がまわりに皆無なので分からないんだけど、どういう点がグッとくるんでしょうか。みんな、あの顔が好きなのか。それともイモムシみたいな体型が可愛いのかな?最近比較的良いクオリティの「レッドアルビノスーパーコンダ」というモルフ(レッドアルビノとアナコンダのコンボモルフ)を見る機会があって、確かに風貌と模様のない真オレンジのボディはきゃわわな感じでしたが、アドレナリンが駆け巡るほどの興奮はなかった。誰か、経験豊かな先輩にシシバナの見方を教えて欲しい今日この頃です。

2013年7月6日土曜日

 環境省の動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令案概要に対するパブリックコメントの募集が締切日まで5日をきりました。日本国内でボアコンストリクターの飼育規制解除がなされる数少ない機会です。管理人はおおまかにわけて

 ①ボア・コンストリクターのヒトへの危険性について誤解がある。

 ボア・コンストリクターは、他に指定を受けているビルマニシキヘビ・アミメニシキヘビ・アナコンダ・ヤブニシキヘビなどと比較して体格、体重・体長(飼育下では最大でも±3メートル)、攻撃性などいずれにおいても劣り、懸案事項の言う「人を獲物として積極的に襲ってくる」生物に該当しない。ボア・コンストリクターがヒトに致命的な危害を加える例は、本種の飼育数が日本と比べて格段に多い米国内のみならず、本種が野生下にて生息する南米諸国においても極めて稀である。したがって、本種は規制対象種のリストからは除外されるべきである。

 ②貴重な動植物の保全という観点からも、安定して供給される種の存在は重要である。
 私たちヒトが常に知的好奇心・知的探究心をもつ存在である限り、ペット産業においても「珍しい動物を飼ってみたい、収集したい」「大きなヘビを間近に眺めてみたい」等という強い動機をもつ一定数の爬虫類愛好家が現れることは回避し得ない。しかし、これらの動機はしばしば動植物の保全を推進する現代の潮流に逆行するものである。ボア・コンストリクターは欧米において普通のペットとなり既に40年以上の歴史をもち、飼育法や累代繁殖法も確立され、家庭のコンパニオンとして、またコレクタブル・アニマルとして、多くの愛好家達の需要にマッチすることが分かっている。今後ペットトレードによる野生動物の搾取を減らし動植物を保全するという観点からも、ボア・コンストリクターの様に安定的に供給されるペット爬虫類の存在はますます重要になっていくと思われる。

・・・みたいな点について書きました。これらが今の所思う「ボアコンが規制されてひっかかっていた点」です。しかし規制したり、緩和を検討してみたり、こうやってチョコチョコ法律を翻すことにあまり意味があるとは思えないな。そういえば9月に改正動物愛護法の施行も控えているし、色々変化の年となりそうですね。丁度、未来の動物の売り方について最近考えていたこともあるので、これについては別記します。