2013年12月29日日曜日



 今年も残すところあと1日となりました。6月に書いたメモに、2013年上半期で気になったヘビのモルフというのを書いてきましたが、今日はその下半期偏を覚え書き、というか走り書きですがちょっと「おっ」と思ったいきものをマークしておきたいと思います。写真はレティックの「スノー」とされる個体。最近ドワーフのモルフも加速度的に増えていて、これは日本の家庭事情を鑑みても嬉しい変化といえます。ただアミメを飼う人々って「おっきい蛇を飼いたい」という特別強い欲求を持っている人が多いと思うので、それらドワーフアミメの人気が出るかといえば、また別の話題となる気がします。

・BWCボア
 1980年代後半発、マハラジャやゴールドがビンビン(死語)だった丁度同じ頃、我らがボアコンモルフも黎明期を迎えていました。その当時生み出された古き良き「ボアウーマンズキャラメル」。これとまたまた古き良きシャープストレインアルビノのミックス配合が、約30年たった今、パラダイムや現在最もナウい(死語)「第二の白いボア」アークティックグローの作出にとってとても重要、というハーペトカルチャー史的ロマン溢れるモルフです。余談ですが、白いボアといえば以前、リューシスティックボアの作出にとあるブリーダーが成功したらしい・・・というような事を書いたことがありましたが、フタを開けてみるとあの個体はブラジルで捕獲されたWCだったのだそうです。先日ニュースでそのブリーダーがブラジルから違法な手段で生体を米国に持ち込んだかどで送検されておりました。なんともロマン溢れない話ですが、このような「なんとなくインチキ臭い人々」が間断なく現れては消えていくのもこの文化の魅力のひとつです。

・ブラッドパイソン「マグパイ」
 特に言う事はありません(笑)
 見たらわかる素晴らしさ。血統によって多少見た目にバラつきがあるようです

・ワキアカガーターヘビ(Thamnophis sirtalis parietalis)「ブルーフェイズ」
 何らかのハイポを思わせる退色の加減によって淡いパステルブルーになっているワキアカガーターの比較的新しいモルフ。新しいといっても、ブリーダーもとでは過去2年位”繁殖プロジェクト進行中”的ステータスになっているので、もしかしたら一代限りの変異なのかも。

 次点 Macropisthodonのヘンテコな仲間達。中国人のフィールドハーパーのウェブサイトを見ていて分かったんですが、ハブモドキのみにスポットがあたっている感があるこの仲間、他にも魅力的な種が非常に沢山いたんですね。興味深かったです。

2013年12月19日木曜日


 普段日本で何気なく喋っている爬虫類の標準和名・標準名は風情があったり面白いものも多いですが、反面いかにも外国語のように聞こえても実は和製語というケースや、間違えた発音を元にして作られたと思われるようなものも時おり混じっていて、結局やはり学名を覚えているしかないという事が結構あることに気が付きました。例えば、ワニの仲間の「ガビアル」は、この単語の持つなんとなくエキゾチックな響きから外国語をそのまま取り込んだカタカナ語なのかなと思いそうな所、実は外国語圏では「ガリアル」と言うのが一般的だと、最近知りました。調べた所オリジナルはガリアルだったのが、最初に間違って紹介されて、それが学名に定着したらしい。さらに米語圏ではこの「ガリアル」はどちらかというと「ギャリオー」に近い発音となり、日本産CBの管理人としてはいちいち顎に力を入れてガンバらないと発音出来ないんですね(それは自分だけか)。この学名の誤りが通称名としてそのまま使われている例に、ポピュラーなペット小動物である「モルモット」なども挙げられます。米語ではギニーピッグと言わないと通じないこの生き物、因みに「ギニアの豚」という英名すらも正しくなく(モルモットはギニアに生息しない)、それもどうなんだと思わされます。

 話を爬虫類にもどすと、もうひとつ気になっている例として「ボア・コンストリクター・インペラトール」があります。誰でも知ってて使っているこの「インペ」は学名を踏襲しているタイプの標準名だけれど、管理人のラテン語つまみ食いの知識を振りかざすと正しくは「インペラートル」ではないのかなと思っているんですね。さらに面倒なのは英語圏ではこの「インペラートル」を英語の発音に直した「インペレーター」が主流になります。またこの日本語の標準名の場合、亜種小名はラテン語読みであるのに、種小名の方は「コンストリクター」と英語読みで全体が統一されてない点も少しムズムズくるものがあります。しかしながら、自分にとっては昔から図鑑や発行物にで馴染みのある「ボア・コンストリクター・インペラトール」で刷り込まれている名前なので、イザ会話時に正そうとしても、難しいものがあります。言っても通じないから必然的に直すハメになるのですが・・・・・・。ハメと言えば、以前遊びに行った旧ソ連圏にあるテラリウムセンターの人々も、「カメレオン」を、どんなにがんばっても「ハメレオン」と混ぜて言ってしまう癖が直らないと嘆いていました(ロシア語ではハメリェオンと言うため)。これらは個別にみると大したことのない問題のように思えますが、生き物の名前を正しく伝えられないという事は会話していて疲れる原因になるので、なるべく正確に覚えておきたいもののひとつです。

 写真は管理人の家の矢筈砂ボア、またはジャベリンスナボア、またはJavelin sand boa、現地語ではザパードヌィ・ウダフチク、究極的にはEryx jaculusとおぼしきヘビの「プンたろう」。英語圏ではただRussian sand boaとよばれる事の多いこの種類は、スナボア属(Eryx)の知られざる基亜種。や、ややこしい。


2013年12月18日水曜日

 日本の義務教育機関は理化系科目を最初から英語で教育すればいいと思う。

2013年12月10日火曜日

 ずっと観賞魚とか水草をやっていて、長じて両生類や爬虫類の飼育を始める人を「上陸組」などと呼んだりする事があるけど、陸上動物から水中の生き物にシフトする、逆の場合はなんて言えばいいんだろう。日淡とか国産グッピーなどから、既に一度「上陸」している自分などの場合、もしこれからまた魚に挑戦するならば「再び水に戻ったグループ」ってことで、海獣類になるのかな。(マナティ組?)

 両爬虫類を飼っている個人でもブリーダーさんでも、専門店を見るにつけても、過去に魚(特に水草水槽やビオトープなど)のバックボーンがある人の生き物飼育の「基礎力」に感銘を受けることが、最近多くなりました。勉強もかねてまた、真面目に魚をやってみたいと思う時があります。アクアの世界は元来凝り体質な人々のあつまりだと感じますが、そのためもあってか新しい便利な器具や土などまでもが、知らぬ間にどんどん出てきていて新鮮です。いつも頭と知識をリフレッシュさせておくため、たまには他の生き物の世界を覗いて、刺激をもらうのもいいかもしれません。

2013年12月8日日曜日

 数日前に爬虫類は意外と頭がいいというメモを書きましたが、昨日のニュースに「鼻に小枝広げ止まり木探す鳥を誘惑 ワニの餌取り方法」というものが載っていました。主にアメリカアリゲーターの間で観察されたものですが、エサをひきつけるために道具を使うというのは、一部の鳥や哺乳類にはしばしば見られる行動だけど、爬虫類としては今まで知られていた彼ら一般の頭の使い方とは一線を画すもので、本当に本当だったら大きな発見です。仮にこれが条件反射の応用だったとしても尚、すごい事です。去年のメモに書いた「いつかおおきな池で、おおきなワニを飼ってみたい」という気持ちがまた新たになりました。爬虫類好きならきっと誰もが憧れる存在・・・それがワニ。

 しかしこのようなニュースを見た、時どこか納得させられる雰囲気が、ワニの仲間にある事も事実です。その頭脳に関する逸話は実に沢山あって、よく知られたもので言えば飼い主とそうでない人を完璧に区別する、親が子を保育する事などに始まり、またある水族館の人の話では池で飼われているクロコダイルが、給餌の時間飼育員の方へ口を開けて待機することを覚え、さらには、エサを投げて貰いながらだんだんと水中へ向かって後ずさりしていく行動を繰り返すようになった=こうすることによって、食べ物をばらまく動物(人間)もまたそのうち水に落ちるのではないか、という思考をしているのではないかと考えられていることなど、枚挙にいとまがありません。あの神秘的な黄色やみどり、ヘーゼル色の瞳の奥深くでどのような事が起こっているのか分かるには、きっとまだまだ時間が要ると思いますが、これでますますワニが好きになりました。

2013年12月5日木曜日


 東海岸の上の方は本格的に寒くなってきました。と言っても今住んでいるDCエリアは以前住んでいた五大湖周辺の街と比べたら、ぜんぜん全く可愛いものです。なんといったって昼間ちゃんと気温がゼロ度以上になります。吹雪が半月降り続くなどということもありませんし。とはいえ、今は野生の生き物にとって厳しい季節であることにかわりなく、この間池で見たカメたちもあれが最後のダメ押しの日光浴だったようです。今は完全に、森からも湖からも爬虫類の気配が消えました。写真は、とある日に森で見たカタアカノスリの最後。傷も羽の乱れもなかったので、なんらかの中毒か、もしくはおそらく経験の浅い若い鳥がエサを暫く取れていないところへ急に気温が下がりそのまま衰弱死したのではないかと考えています。


 ところで最近日本はボーナスシーズンなためか、ヘビに関する質問のメールが送られてくることが、ちらほらと見られるようになりました。メールやグーグルの+1、コメントなどで、内容は何であれ、フィードバックをしてくれる方にすごく感謝しています。一通一通、一こ一こ友達が書いてくれたようなつもりで読んでいます。「どこかの誰かが見て(読んで)くれている」という感覚は何かを書いたり、熱意をもって調べたりする大きな原動力になりますね。

 管理人は、たとえシュミの範囲内のことであっても、サイエンス系の情報は基本、オープンにされているべきという考えなので、微力ながら、「どこかの誰かの役に立つかもしれない」というスタンスで、サイトやブログなどをやっています。しかしタダで提供されるものってなんでもそうだけど、手に入れてもあまりありがたみは感じられなかったり、特に印象に残らないという問題もありますね。1000円かけてとったUFOキャッチャーのキューピーと、公民館のバザーでもらえたキューピー、どちらも同じMade in Chinaだけれど、UFOキャッチャーで取ったやつのほうがよほど価値ある気がするように。であるがゆえ、例えそんな「タダで提供されるもの」であっても、読んだ物をもとに自分の頭でいろいろ考えてみたり、それをアウトプットして、書いた人にまた送ってみたり、そういう建設的行動につなげていける事、つなげていける人っていいなと思います。

 一方で、自己紹介もなく短文で「日本のXXXで売られているYYYはアメリカ(ヨーロッパ)では何円位ですか」「次日本ではやりそうなモルフってなんですか」「飼っているロンギコウダを(できれば安く)売ってくれませんか」というようなメールや、また質問の答えを得ると突然ぱったり交信が途絶えてしまう方なども、少数派ですがおられます。これにはがっかりします。その方に対して、ではなく、私は、そういう細かい事がなんとなく気になってしまう自分自身の「ダサさ」を感じるのが嫌なんです(笑)。まだまだ無私・無我の精神とは程遠い管理人です。リアクションを下さる際はその点、宜しくご懸案ください。