2014年3月24日月曜日

 おもにボア・パイソンの仲間の間で知られている「IBD(封入体病)」の感染を知るためのテストが、今後より簡単にできるようになるかもしれないというニュースを目にしました。IBDのウイルスが初めて同定されたことは一昨年のめもに書きましたが、あれから約2年、フロリダとサンフランシスコの獣医学研究所によってこのウイルスに対してヘビの細胞内に現われる特定の抗体を同定、その値をチェックすることにより感染を確かめる方法が考え出されたそうです。今後、獣医科医院などでも簡単ににチェックできるようなキットを開発することが、現段階での目標のひとつとされているもよう。現在あるIBDの検査テストは比較的高額でだれもが行えるものではないのですが、これは近年わかってきたIBDに罹患しても無症状のヘビが一定数いるという事実をふまえると大きな障壁で、研究施設からプライベート・コレクションにいたるまでの様々な場面で、より手軽で安価に検査ができる手段の開発が待たれています。

 しかし、ウイルスに対して抗体とか色々無意味で不必要な物質が生産→蓄積されて、それが個体の神経伝達とか細胞内の活動を阻害する・・・・・・と聞くと、本来ヘビの病気じゃなかったのかなあ?という気がします。やはりもともとはネズミからうつったのだろうか。よく思うのが、野生動物などの脅威によくある「ヒトによる生息地の破壊」において、人間とその活動だけが野生動物の棲み家を壊してると思ったら、違うんですよね。人間と共に暮らす家畜やイヌやネコ、インコのピーちゃん、それにつくダニやノミ、残飯を漁るネズミやゴキブリ、その足の裏にくっついているかもしれない奇妙でわけのわからないカビや病原体などもみなセットになってやってくるわけなので、それらと原生の生き物が接触した時どのような影響があるかは未知数なのではないだろうか。ちかごろは北米の野生ヘビの間でも正体不明の真菌症で死滅していく地域個体郡などがちらほら報告されるようになってきていますが、人間の生息域の拡大に伴う土着のいきものと上記したような「招かれざる客」とのエンカウント率の上昇も、その要因になっているのかもしれません。

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