2014年6月28日土曜日


 注意 / この記事には関連する特定の個人を中傷する目的はありません。

 先日「ブログむら」の注目記事の覧に目を通していて、トカゲに手作りのエサを与えている方の記事をみつけました。トカゲの手作りエサといえば、何らかの理由でふだんのエサが手に入らない時の代用として昔からいろいろな作り方が知られており、おやつとして飼い主とトカゲのコミュニケーションを助けたり、投薬に役立つかも知れなかったりと、単用を避ければ様々なメリットがあるものも多いので、それ自体には何の問題もありません。しかしこの時読んだものは鶏ミンチに小麦粉のフスマ(?)を加え成形した後レンジでチン(?)して、人間用のミートローフみたいにするというものでした。調べてみると、もともとアメリカ人のあるサバンナモニター飼育者が行っていたレシピで、彼らは、これで多くのサバンナモニターをキープしていたようです。これはちょっとクレイジーだと思いました。

 アメリカ人のみならず、西洋人には、自分のペットは好きだが、それが食べるエサ(虫だったり、しばしば動物の「気持ち悪いパーツ」から出来てたりする)は認められないという、謎思考の人々が一定数存在するようです。これは、最近バイト先で犬のエサの内容について人から相談を受けるようになってよりハッキリわかりました。こういう人達の中には「その動物本来の食生活」への最低限の敬意がないらしく、管理人にとっては不思議な存在です。それがイヌネコや魚ならまだしも、本来家畜でもない爬虫類を飼う!となった時に重要な「エサやり」を避けて通ろうとするっていうのが良く分からないんですね。それもサプリメント的な意味で配合飼料が必要というわけでもなく、バラエティに富んだ小動物+アルファを適度に与えていけばよいだけの肉食のトカゲに、わざわざ時間と手間ひまかけて、本来の食生活とはかけ離れたものを与える事には、飼い手のエゴしか見えてきません。と、思うのは自分に想像力が欠けているんだろうか。と同時にネット上の情報は鮮度に注意、参考にする時は自分でも調べ吟味してから・・・、という超月並みな結論に、今日は落ち着きました。

2014年6月26日木曜日


 先日のブログでもちらっと触れましたが、今近所のペット用品店に潜伏しています。キヒッ。お金もぢの奥様のおイヌ様、おネコ様のごあんを、このわだぐしめがご用意さしでいだだきまシュ。キヒヒヒッ。とか言った所でここでは誰にも分からない(言葉通じない)ので、こんな自分も世間的にはノーマル扱いです。よかったですね!

 さておき、建物の中にいるとイヌという動物はこんなにも毛が抜けるものだったかなと愕然とします。お店に生体はいないので動物はお客さんの連れてくるイヌ(とたまにサバンナキャット)のみですが、掃いても、掃いても数時間ほどでまた床や調度品が毛でなんとなくホワってきます。トリマーの皆さん、お疲れさまです。とにかく、先代のドーベルマン亡きあと3年が経過し、すっかり自分の血中イヌ分が減少していたことに気が付きました。フィールドやカエル・ウォッチで単独行動の多い管理人なので、本来なら防犯上心強いような犬種を飼っているべきなんですが、ブリーダー選びから先計画が一向に進まないのは、この毛とか、基本的なメンテナンスへの尻込みです。爬虫類や魚なんかと違い、獣はとにかく手間がかかりますよね。本当に飼いたい犬種を住環境の面で諦めざるを得ないのも大きいかな。でも、さっき電話で日本のイヌ友さんと話していたら、「やはりイヌのいる暮らしっていいな」とポジティブ思考が復活しました。イヌにかぎらず「何かにすごくハマっている人」との会話は、その対象はなんであっても、やる気とパッションを投入してくれますね。あ、もしかして「へびにっき」に哺乳類の事を書くのは、これが初めてではないだろうか。オチがつきませんでしたが、ちょっと感動した。
 

2014年6月25日水曜日

ひとつぶで 二度おいしい

肌の色、質感がなかなかうまく映らない

 ヤモリの仲間は瞳のきれいさが魅力のひとつだと思いますが、トルコナキヤモリも例にもれず、よ~く見ると真鍮に金粉をちりばめたような目をしている。今朝までは、これをマクロレンズ購入の口実にしようかとかぼんやり考えてたけれど、さっきアイパッドを割ったので、短けぇ夢だったな・・・・・・と、スッパリ諦めた。因みに割るのは今年に入って2回目となる。気のせいかiOS8になってから急激に脆くなったように感じる(もののせい)。

 「すあま」は順調に育って無事お店で売ってる「コオロギSサイズ」を食べられるようになった。わざわざカッコでくくったのは、この中にピンヘッドからMLサイズまでよりどり入っているため。無論、通販すれば厳密にサイズ指定することは出来るかわりに、大量に頼む必要が出てくる。うちでは一週間に10匹消費するかも分からない程度なため、当分はこのテキトウな「コオロギSサイズ」でやりくりすることにした。因みにこのアメリカのテキトウさには良い面もあり、こないだなんかは「20匹くれ」と頼んだらお店のお姉さんが桶からガサッと獲ってくれ、あとで数えたら60匹近く入っていた(どんぶり勘定すぎるだろ)。

 「すあま」は日中は色黒になり、夜はモモ色になって、一粒で二度おいしい生き物です。ヤモリやトカゲの仲間を世話してると、これらの生き物は記憶力が良く刺激に順応するスピードが早いと思わされる事が多いですが、「すあま」もすぐに掃除中の手をあまり怖がらなくなった。

2014年6月24日火曜日

    マンテラやヤドクガエルにエサのショウジョウバエをばら撒きながら、くる日もくる日も同じような、ケシ粒みたいな虫ばっか食べて、寿司も焼き肉の味も知らずに死んでいくその「カエル生」について思っていた。でも、これだけ地球の温暖化が取沙汰されるようになった現代なので、もはや他人事ではないのかも。管理人は、タンパク質が豊富でビタミンもいくらかあり、かつ変温動物である昆虫類は人類の「未来の家畜」としての革命的要素を十分にもっていて、遠くない将来、けっこう一般的に食されるようになる気がしているのである。丸のまま食べるのは皆抵抗があるかもしれないけど、フリーズドライの粉末とかにして、そういう昆虫由来の材料を使った家畜の配合飼料とか、代用肉などはかなりポピュラーになるんではないだろうか。突飛な考えに聞こえるかもしれないけれど、私たち哺乳類は生きてる間に熱を生み出し、自力で体内環境を整える必要があり(ホメオスタシス)そこで多分膨大なエネルギーロスがある。その点変温動物は環境により依存しているので、哺乳類と比べて非常に少量の資源で生育できたりする。例えば牛肉1キロを生産するために水なら8000リットル近く必要になるけれど、同じ1キロの食用コオロギのためにはたった8リットルですむらしい(しかもエサはほぼ植物のみで)ということを、以前、どっかのサイエンス系の雑誌で読んだことがある。

 未来の世界で、ルーデント・プロや月夜野ファーム等が食用昆虫の巨大卸会社などに成長していたらおもしろい。

 

2014年6月22日日曜日

プリンセス・ダイアモンドは二度消える


 このブログ「へびにっき」ではじめて北米にて世界初のリューシのボアコンが生れたらしい~と書いたのは2011年のことでした。しかし2年後の記事内で、どうもそれがインチキだった、という後日談にもふれたと思います。その時点でリューシスティックのボアコンがキャプティブ下に存在する事は間違いのない事実だったものの、実はそれは純粋に自然が作り出した特別な個体で、作出者を名乗ったブリーダーはただそれを違法な手段で入手していただけだったことが発覚したためです。最近明らかにされた事の顛末はこんな風でした。 ※長文なので読むのメンドクサイ人はふたつめの「・」の後の段落だけ読んでくだせ~。


 時を遡って2006年、ブラジルはリオデジャネイロ州二テロイにて、大変美しい純白のボアコンストリクターの子供が発見されました。このボアは、世界で今までに類を見なかった「野生由来のリューシスティック・基亜種ボアコンストリクター」だったのです。リューシスティックといえばさまざまなヘビのブリーダーが目指すある一つの「ゴール」とも言える表現で、繁殖家達にとってはまさしく「聖杯」と言ってもいいようなものです。この個体はすぐさま研究者たちによって、私立二テロイ動物園の研究施設に収容されました。当時この動物園は、情報をキャッチした世界中のボアコン・ブリーダーからの交渉のコールが殺到しました。しかし、ブラジル政府の打ち出す野生動物保護政策は特に厳しいことで知られ、他国のブリーダーが、とりわけ商用目的でこの個体を国外に持ち出すことは不可能でした。

 同時期、アメリカ人のある男がこのヘビの魅力に取り憑かれていました。男の名前はジェレミー・ストーンといい、ユタ州で爬虫類店を営むボアコンストリクターのプロブリーダー業を営んでいました。磁器のように真白なリューシスティックのボアを生み出すことは彼の夢であり、目標でしたが、長年かかっても未だ成し遂げえなかったそれが自然の力によって魔法のように産み出され、突如目の前に現れたのです。と同時にブラジル当局の政策についてもよく知っていた彼は、このヘビを入手する事は、少なくとも合法的には不可能だと知っていました。

 3年後の2009年、ストーンは「『プリンセス・ダイアモンド』プロジェクト」を立ち上げます。自身の手による計画繁殖と選択交配の末得られたとされる、世界初のボア・コンストリクターのリューシスティック個体『プリンセス・ダイアモンド』を祖として、さらに純白の子供達を作出していこうというものでした。しかし、ストーンが頻繁にユーチューブ等で宣伝していたこのヘビの映像は、この時二テロイ動物園から消えていた純白のヘビを捜索中だった、関係者の不審を招きました。ビデオを仔細に観察したところ、そのいなくなった個体と同じ箇所に、同じような複数の暗色の鱗が確認されたのです。そもそも非常に珍しいミュータントのヘビです。共通点はたったこれだけであっても、同一個体と同定するには不足のない情報とし、ブラジル国家環境局(IBAMA)は、この男とその周囲に焦点を絞って静かに捜索をはじめました。

 2011年、IBAMAは二テロイ動物園を強制閉鎖します。理由は「収容動物達の扱いに不審な点があったため」。この動物園からはそれまでに、実に635種の動物が「消えて」いました。書面上は「死んだ」と記されていたこれらの動物種の数は全収容種のうちの実に3/4にあたる数で、この動物園のキュレーターが何らかの違法な商業行為に関与していることは、もはや疑いの余地がありませんでした。動物園の獣医師は白いボア『プリンセス・ダイアモンド』について、「キュレーターからある日突然、『あのヘビは死んだ』と言われた」と供述しました。そして、ブラジル国家警察はその『ヘビが死んだ』2009年、時を同じくして、ストーンが「たった1日だけ」ブラジルとガイアナの国境の村に入国し、そしてアメリカへ向けて去っていた事実、それと同時にストーンの預金口座から、2550万円相当の金が引き出された形跡を突き止めました。そして2013年、種々の調査と検証を終えたアメリカの連邦裁判所は、ストーンを、生物を違法な手段で輸入したかどで起訴しました。この訴訟は2014年の今現在も続行中となっています。

 ブラジルの動物園から一度消えた『プリンセス・ダイアモンド』。2013年の家宅捜査の結果、ストーンの自宅からは発見されませんでした。ストーンはこのヘビについて(同時期にユーチューブにポストをあげていたにも関わらず)「ヘビは死んだので、裏庭に埋めた」と供述したそうです。『プリンセス・ダイアモンド』は、2011年に同じく純白の仔を複数匹産んでおり、これらのヘビはそれぞれアメリカ、カナダ、欧州のブリーダーへと売却されています。2013年にはイタリアのブリーダーが第三世代の作出にも成功し、一部で話題となっていました。次なる議論はこの『プリンセス・ダイアモンド』が本当に死んだのか?ということ。現時点で真相は謎に包まれています。ブラジル当局は今後も、『プリンセス・ダイアモンド』はどこかで生きていると考え、見つけ出して保護するという意志をもって調査を続けていくそうです。


 それにしても、ボアコンの品種改良、のみならず「ハーペトカルチャー」全般の歴史を振り返ると、「法的にアヤシイ(もしくは違法な)行為の歴史」といっても差支えないような、こういうサイドストーリーはけっこうぽろぽろ出てきます。単なる市井の爬虫類好きでアウトサイダーである管理人ですら、ヒトから話を聞いたり情報収集をしている中で、図らずもそういった事実に突き当たってしまい、気まずい思いをすることは無きにしも非ずです。最近では、究極的には、自分なども含め「爬虫類飼育がシュミです」と言う人は、過去から未来にいたるどこかの時点において、または自然から獲ったものを売ったり、買ったり、所有したりという行為のどこかにおいて、違法もしくは法的にアヤシイ現状に加担している可能性が高く、間接的な共犯者なんだと考えるようになりました。自分の飼っている生き物はCB個体だから大丈夫~と思っても、それらの個体の親個体たちをたどると、そう遠くない祖先は密輸されたものだったりすることだってあるのです。また自分達のようないわゆる「購買者層」の存在感が、今日もどこかで行われているいきものの違法な採集の原動力となっているのは、想像に難くありません。だいじなのはこれらを踏まえて、我々ホビイストは「倫理」について常に考えて続けていかなければいけないという点です。それがゆくゆくは世界の爬虫類や両生類、のみならず地球上のさまざまな動植物達の命運を変えていくはずだと考えます。

 因みにこの白いボア、まだ生きていると思いますか?
 管理人は、殺されちゃってどっかに埋められたに一票。
 今回の記事はナショジオ・デイリーニュースおよび全米弁護士会ユタ地区の記事を参考にしました。

2014年6月20日金曜日

ドリまる子ちゃん


 地元の動物園でキーパーエイドをするようになってからその良さを再確認したという生き物が幾種類かあって、トウブインディゴヘビもそのひとつだ。学名からもじって「ドリまる君」と呼んでいるこの個体は、規則の関係で写真は載せられないけれど、非常に魅力溢れるヘビなのだ。

 管理人にとってインディゴヘビやその仲間たちといえば、以前から周囲の人々が皆口を揃えて「イイ」と言い切る存在にもかかわらず、実体験の乏しさも手伝って最近までその具体的な良さを掴み兼ねていたグループだ。まあ、ひと目見て分かるスーパーイケメン達なので、その「サイズ」、「美しさ」そして「希少性」から主に評価が高いだけだと思っていた。それに、それまでは「大型化するナミヘビ」と聞いた時点でなんとなく粗暴でクサそうなイメージがあったのだ。ところがフタを開けてみれば「ドリまる君」は臭くもないし粗暴でもない、荒野の貴公子のような奴だったのである。

近影(笑)

 「爬虫類の賢さ」というと人間の主観バリバリでなんとなく誤解を招くうえ、種類以前に個体差がかなりあると感じるので微妙な表現だと思うけれど、この「ドリまる君」に限って言えば、それでもどことなく賢さを感じさせる。このヘビはメンテナンス用のドアを開けると立ち上がってこちらをじっと見てくる。他の多くのナミヘビ達のように、こういう時顔だけキリッ!とさせながら、実は体はシェルターの中でダラケている、ようするにフリ、というようなケースは「ドリまる君」の場合少ない。人間の一挙手一投足を監視下におきたいという強い意志のようなものを感じるのだ。倒木の下などにいる場合はわざわざこちらが見える場所まで移動してから凝視してくる。その様子もなんか居合切りの達人みたいにきびきびと洗練されているのだ。移動や種々の測定のためケージから取り出される際は、怒ったり手の上でむやみにバタバタとするようなことはなく、落ち着いて首をもたげてあたりを見回したり、なんとなく状況を把握している風である。このヘビは基本、自分の強さを自覚しているらしき所があり、その威風堂々とした性質がより一層、本来の魅力に磨きをかけている。

 ところでこの「ドリまる君」、実は「ドリまる子ちゃん」だったことが先日分かった。
 フジテレビが日曜6時の枠を準備して取材に来る日も近い気がする。

2014年6月16日月曜日

うなぎのこと

 日本のウナギがIUCNのレッドリストの絶滅危惧1B類に載る予定らしいことを、とあるメジャーな新聞で見かけた。
 ちょうど去年の投稿でも書いたけれども、今回の記事も

 >レッドリストに法的拘束力はなく、直ちに捕獲や消費が制限されることはない
 >今後、国際取引の規制につながれば、日本の食卓に影響が出る可能性がある

などと、相変わらずなんとなくズレている気がする書き方だった。一つの種が絶滅の危機に瀕しているというのは「食べられなくなる~」とかいうのとは次元の違う話で、本来であれば国が自ら進んで禁漁し、その間種の保全にさらに注力するというのが筋ではないだろうか。国民の方も、「土用丑の日」等は暫くは形式的に楽しむことにして、実際にはウナギを食べなくてもすむような代替案を考えたりして、クリエイティブにやっていったほうがいいのではないか。あまりクリエイティブではないタイプの人は、ただ単にウナギを食生活から除外するだけでもいい。実際、あまりクリエイティブではない管理人も、ウナギやクロマグロはもう6年くらい食べていない。

 日本で土用丑の日にウナギを食べるというのは、調べたら1700年頃に始まった比較的新しい風習らしい。その当時の日本の総人口は、諸説あるが、2900~3100万人位だったとされる。一方先月発表された今の日本の総人口は、1億2710万人だったから、単純計算しても4倍以上に増えている。しかも我々現代人は、300年前と比較したらくらべものにならないくらい、リッチで長生きだ。世界70億人の人々が一斉に「牛肉のステーキが食べたい」と言ったところで、実現不可能なように、生態がまだ完全には解明されていないこと、完全養殖する技術も確立されていない(これは中国産やヨーロッパ産のウナギにも共通する)という点で、日本のウナギという資源にはそれだけの消費を補うだけの強度がなかったという現実を認め、獲って食べるのはここらでさっぱりと諦めたほうがいいだろう。そもそもクーラーも碌な製氷技術もなかったような昔の人々、日々労働に従事して、ひとたび病気となれば無麻酔で歯を抜かれたり逆子をひっぱりだされたりしなければならなかった当時の人たちが、夏の健康祈願に始めた習わしである。今、冷房の効いた部屋でのんびり読書やゲームをできる子供たちが、ウナギを「皮が気持ちわるい」とか言って残し、デザートのアイスを頬張るなどという状態(これは、管理人が実際に見た話)になったら、その伝統もそこまでだ。このように形骸化した文化にいつまでも拘り続ける必要性を感じない。

 因みに今回ネットで「うなぎのお菓子」で検索していたら、神戸のお菓子店で「うなぎの寝床」というケーキが買えることが分かりました。こういうもので丑の日の気分だけ味わうのも、なかなかモダンでいいと思う。

2014年6月12日木曜日

エ・サ・ク・レ


 只今、ヘビの澄んだ瞳に魅了され中。この直球さに癒される。

 ここの所私生活が急に忙しくなりブログの方も下書きばかりどんどん溜まっていってます(いつも、あとで読み直してからアップしているため)。普段の生活で4足のワラジを履いている管理人、つまり四足歩行中ということなのですが、最近急に「アメリカでバイト君体験をしてみたい」という衝動に駆られ、近所のペット用品店でバイト君として雇われました。この店は一応管理人のスペシャリティーである鳥、魚、爬虫類用の飼育器具も置いていますが、アウトドアのメッカ・カナダ資本の会社なのでメインは犬で、彼らのための生餌やウエア、ハーネス類を専門とするなんとも小奇麗なショップです(管理人の場違い感がすごい)。さあ、5足目のワラジが現れた。どこに履いたらいいのかな(笑)。そんなわけでブログの更新速度は少し落ちるかもしれませんが、気長にお付き合いいただけたら幸いです。

2014年6月11日水曜日

ヘルベンダーのあくび


 管理人が週一で行っている動物園には小さなサラマンダー・ラボがあり、研究用に借りてこられたイースタンヘルベンダーや、日本の安佐動物園から送られたオオサンショウウオなどが飼われています。彼らの部屋は涼しいのも手伝って、管理人はなにかと言っては入り浸っていたのですが、野趣溢れるイモリ・サラマンダーの魅力を再確認して、最近ではシフトが明けてもしばらくラボの外から皆の様子を観察するのが楽しみになりました。今日はたまたまヘルベンダーのうちの1匹があくびをするところをビデオに撮ることができたので、はたしてどのくらい興味ある人がいるかは分かりませんが、アップしておきます。音量に注意。




 ビデオを見ていると気付くかもしれませんが、ヘルベンダーは体を左右にぴょこぴょこ小刻みに動かす謎の行動をたまにします。人間の貧乏ゆすりみたいなもんかなあ、と勝手に憶測していますが、これといい、顎の形状などといい、自分がもしも学者等であれば薀蓄の余地がきっと沢山ある生き物でしょう。が、管理人は残念ながらただの人なのでただ「すごいねぇ」と感心・感動する一方です。




 以前フィールドでも見かけたセアカサラマンダーも飼われいています。上の個体は「106番」。背部が明るい色にならないリードバックの個体ですね。チャンなのか、クンなのかは未確認です。餌もよく食べて丸々としていますが、イモリなどの両生類の場合、代謝を一定に保つことが最優先なので、肥満対策は二の次です。よーく見るとイヌの「オスワリ」の格好で休んでいます。陸地に住むイモリはよく「オスワリ」していますが、手足が短すぎるのでかなり近寄って見ないと、わからないことが多い(笑)。セアカ達のほかにも、ブチイモリの陸型の個体などもよくおすわりしていて非常にかわいいです。ちなみにこのメンテナンスは、管理人がやったのではありません。両生類のメンテナンスの仕方は人格が直で出ますね。

2014年6月6日金曜日

池で流行りのベーグルデート


 身近にいる特定の生き物へスーパーフォーカスした愛情を、パンくずやほぐしたシャケに等価交換してばら撒いている人々がいる。子供のころ、日曜の公園でよく見た「ハトおじさん」や「ネコおばさん」だ。子供の倫理感では、野生の生き物や飼い主のいない猫を飢えさせないことは単に「いいこと」だったから、素晴らしい人達だなあ、といつも感心していた。それと同時に餌に向かって我さきに突進する生き物達、その群がり蠢くさまを見つめるおじさん・おばさんたちの、一種独特な目の光に対してはちょっとした違和感を感じたりもしていた。正しく冷静であるはずの大人達が静かに陶酔状態になってる図というのは、子供からするとけっこうリアルだしコワイのである。

 そんな自分も世間で言う「大人達」の仲間入りをして久しくなった。どちらかというと一般道から脱輪して、そのままわき道をトコトコと爆走(?)している感じのマイノリティ派の大人となったが、しかし今ふと我が身をかえりみれば、そういう所謂「おちこぼれ」の自分でも「ナントカおじさん・おばさん」としてのキャリアに関しては、しごく順調に運んでいる事が分かるのである。これは若干気味の悪い現象でもある。たとえば湖への散歩用のカバンを開けたら、入れた覚えはないのに「ズーメッド・ナチュラルタートルフード」がビンごと入っている。工具箱をとりに物置きへ行ったら、買った覚えのない「ひまわりの種10キロいり~あなたの野鳥ライフを応援する~」がある。こんななので、最近は己の知らない自身の存在を徐々に認めていかざるを得なくなった。自分は知らないうちにそこら中に餌をばらまき、寄ってきた生き物をあの独特なまなざしでウットリと眺める種族の一員となりつつあるらしい。それを知ってしまった今、自律という概念そのものが空しい。なぜならば、どう屁理屈をこねたところで、実際あどけないニシキガメの仔亀が池から顔をだし、鼻からちっこい泡をぴこぴこさせながらこちらを伺っているのを見てしまえば、にわかに気もそぞろとなって懐から取り出したビンの蓋をおもむろに開け、その小さなペレットを指でひとつぶひとつぶつまんで放り投げる段となれば、思考はもはやバラ色のもやの彼方でララバイララバイしてしまうわけなのだから。

 上の写真は今日の午後地元の緑地を散策した時の光景。桟橋から水面を覗いたら、ランチ・ブレイク中のビジネスマンが落としていったらしい、押し麦のベーグルがクルクル回っていた。じっと目を凝らすと実はたくさんのニシキガメ達が水底から上がってきては食いつき、また別のが上がってきては食いつきしていたのである。うちのカメたちにパンをやるなんてと例の狂った思考が一瞬脳裏にチラついたが、気を取りなおしてみれば、ズーメッドのペレットとくらべてベーグルの方が何倍も食いつきが良いのはおもしろく感じた。この水ガメのペレットにはフィッシュ・ミールがたっぷり入っているので、ベジタリアン傾向の強いニシキガメの成体にとっては、小麦でできていて、やらかくて、さらに糖分と脂肪分もとれるベーグルの方が、ずっとおいしいに決まっている。ニシキガメ達の間でのこのベーグル人気は凄いらしく、周辺一帯では皆繁殖行動も中断してせっせとかじりついていた。人間界の原宿界隈におけるパンケーキ的位置付けなのかもしれない。