2014年8月28日木曜日

部屋が汚い男に注意


 気付けば去年から一度も話題にのぼっていなかったサングローハイポのレルモントフ。とにかくよく動く奴で、全然まともな写真が撮れなかったのもその一因でした。レルモントフのフォルダを開けると↑のようなのばかりザクザク出てくる。このヘビは管理人がケージの戸を開けると、餌を食べている時以外は何をしていても一時中断して、人間側にズイズイと寄って来るというわけの分からない癖があります(時には霧吹きの水を飲みながら。お前はラットスネークか)。そしてズズイと接近し終わると、今度はおもむろに舌をチョロチョロして管理人の顔面を査定してきます。どうも、たまに覗きに来るこの「自分以外の生き物」に対して強い興味を持っているようです。毎回繰り返されるこの儀式?によってそのうち「モン太郎じるし」でももらえれば、人生、何か良い事でもあるだろうか。

朝お決まりの光景。床はグジャグジャ、ヘビはキョロキョロ、ミズゴケタッパーの蓋はもちろんどっかへすっ飛んでいる。

 レルモントフはまた、うちのヘビたちの中で最も部屋の使い方が汚い奴でもあります。軽くて細かい床材だと全てをモリモリにしてしまうので、ヤシガラか、ケイティの大粒紙サンド・グレーというのを使っていますが、それでも問題を全解決するには至っていません。糞も、他の二頭のロンギコウダはひっそりとケージの片隅に盛り上げるフェレット系であるのに対し、このヘビはケージの広範囲に惜しげもなく・ふんだんにばら撒くカバタイプです。「恥ずい」という概念は、彼の辞書にはなかった。


 この好奇心の強さ、この衛生感、どこか「本能の欠如」を感じずにはおれない個体。サイズもナミヘビ並に小さく、野生だったら絶対に生き残って行けないタイプかと思われます。まあ、これだけ改良のすすんだヘビがいるというのも、ボアコンのおもしろみの一つかもしれません。そういえば最近、北米ではまたボアコン飼育に関する法の見直しの動きが加速してきてるんですよ。アメリカでボアコンがダメになったら、この趣味もまた一段と味気ないものになりそうですね。現在は特に世界的に環境保護の気運が高まっているので、爬虫類業界はこれからも厳しい戦いを強いられていくことになりそうです。

2014年8月18日月曜日

ソフィー


 ある日の動物園にて、朝日の中で日光浴するキューバワニの「ソフィア」。

ワニはディープな眼差しを持った生き物だ。
その瞳の奥をのぞき込めば、太古の意志に触れられそうな気さえする。

管理人をチラ見するソフィー


 太古の意志は手羽先を所望しているようだ(笑)。


2014年8月13日水曜日

バイバイ、マック


 先日うちに来たカラフルおもしろい寝相のニシキガメについて。 

 野生のカメの回復力はすごくて、口内の傷ももうほとんど癒えていたこのカメ。ついうっかり「マック」という名前まで付けてしまい、このままでは情も移るだろうしヤバいなーと思っていたこの2週間でしたが、今朝湖まで連れて行って放してきました。泳ぎ去る所をカメラに収めようとモタモタしている間にあっという間に見えなくなってしまったので、写真はきのうの朝水換えをしてやった時に撮った、上のが最後となりました。空き家になったコンテナがちょっと寂しい。

 しかし一歩離れて見てみればこれだけ遊泳力のあるカメなので、横幅80センチ程度の容器ではどう考えても狭すぎて、見ているこっちも気づまりだったからこれでサッパリした。外で自由に生きてきた生き物をケージや檻に入れる場合、その内容をたとえどんなにがんばって整えた所で、彼ら本来の暮らしぶりとは似ても似つかないようなものになってしまうことが多い。好きで、いつまでも眺めていたいカメを同時にいじめることにもなってしまうのだ。水ガメ好きには結構よくあるジレンマかもしれないけれど、バランスをとるのが難しいと感じる。その点、ヘビは多少小さ目のケージに入れていてもそれほど気の毒と思わないのが不思議だ。ともあれニシキガメに関しては飼うととても楽しい事が今回分かったので、いつか運よく子亀でも見つけられたら長期飼育に挑戦してみたい(今のところ、季節的に見かけるのはカミツキガメの子亀ばかりだけど)。

 秋に向かって短くなりつつある一日を無駄にするまいと、夕方またせっせと雑魚釣りにせいを出していたら今度はニオイガメが釣れた。このカメには殆どダメージがなかったのでそのまま逃がしたけれども、湖の神様は最近やけに気前が良いようだ。この調子でいくとマック2号がひっかからないとも限らないので照明一式やコンテナは仕舞わずにしばらく庭に置いておこうと思う。

2014年8月12日火曜日

「ちがい」をめでる

おとといのカエル・ウォッチで見つけたミドリガエル。 このありふれたカエルでさえ、この姿でいることには意味がある。

 カエルとイモリに与えるための羽なしショウジョウバエのカルチャーをトントンしていたら、かすかな羽音とともにビンから1匹のハエが飛び立った。「こいつ飛んでるぞ!」という衝撃と共に、蛍光灯に照らされてなぜかひときわカッコよく輝いて見えたそのハエは、一生、ドロドロと発酵した培地の上を走り回るしかない幾千の兄弟達の中に生まれた「特別な空飛ぶハエ」だった。

 ヒトが地上にあふれかえらんばかりにのさばる成功した種族となった要因は、私達が好奇心がやたらと旺盛で、本質的に多様性を好む生き物だからかもしれないと、最近思っている。たとえば自分達爬虫類好きは、並み居る似たような生き物の集まりのなかでなにか特別な特徴を持った「個体」にひときわ感心して、興味をもつ傾向にある。白いヘビだとか、池で見かけるやけに赤いカメとか、先の羽なしショウジョウバエレベルの生き物であっても、どれかひとつ特別に抜け出た個性をもつ生き物は「おもしろ」くて、とても気になってしまうのだ。そもそも飛ぶ存在であるはずのハエが、特定の環境下ではカッコよく見えてしまうように、我らヒトにとっての「カッコよさ」「イケてる度合い」とは相対的で、希少性と比例している事が多い。つまり我々にとって、すくなくとも先進国に住む人々にとって、マイノリティ側の個性や特質とはしばしば興味の対象であり、コミュニティの中で「大切に保護されていくべきもの」ととらえられることも多い。

 これは人間以外の動物には殆ど見られない心理構造じゃないかと思う。野生に暮らす動物達の場合、生育できる環境というのが特定していることが多いので、「その環境に順応した性質をもつ個体同士」という、限られた枠組みの中での多様性を保とうとする。すると結果的に個体としての健全さは保持しつつも、その場・その場の環境に特化した生き物の集団が生まれてくる(これが「種」ということになる)。彼らの中では、異性に対するアピールは人間のように「命知らずの冒険野郎である」とか「体は弱いけど綺麗なグリーンの瞳をしている」とか、「病的コミュ障だが鉱物のことにやたら詳しい」とか、そういう観点では計られず(そういう個体は先にだいたい淘汰される)、単にその環境に適応したマジョリティ集団の中でどのくらいエサをとるのがうまいかとか、排他的性質で縄張りをきちんと守り子孫をいっぱい残せるか、などが問われる。

 ヒトの、自分達の種の中で希少なマイノリティ側の個体も程よく残していこうよという作戦は今のところ成功しているように見える。文明史に名前を残すような優れた功績を残した人の中には、一般社会の中ではどちらかというとマイノリティに属するキャラを持った人々がたくさんいるのだ。「いきもの」としては強くない、そんな個体達によって我々は生きる上での周辺環境を自由に変えてしまうことを学んできた(それは「繁殖期」の消失と爆増した人口が物語っている)。20万年以上の時をかけてどうやらこの地球上での生存競争に勝ち、知らないうちに自然の摂理からすらも半歩抜け出てきている自分達人間の次の課題は、地球上で消えゆく「過去のライバル達」の存在を認め、彼らの多様性をもまた、純粋に慈しむことではないだろうか。「みんなちがって、みんな良い」かったからこそ今日の自分があることを、たまには思い出さないとなあ~と思った今日でした。

2014年8月9日土曜日

マックの寝相


 先日拾ったニシキガメついて。

 日本に住んでる時からけっこう長い事ミズガメを飼ってますが、こういう寝相のカメには今まで遭ったことがなかった。飼ってたのがイシガメの仲間ばかりだったせいかも知れないけれど・・・ヌマガメってこんななんだろうか(北米ヌマガメオーナーの皆さん、どうですか?)。それともうちのイシガメ達も、自分の見てないところで密かにこうやって寝ていたのかなあ。因みに比較的近縁なキボシイシガメは動物園でよく世話してますが、こんな風に寝て居る所は見たことがないです←生活様式が大分違うのであまり参考にはならないかな。

 しかし、確かにこの寝方なら水中の変化にすぐに気付けそうだし、何かあったらすぐにスクランブル発進できそうだ。野生生活で身に付けた知恵なのか。


 頭までひっこんで完全に爆睡してます。ちょっと水槽を覗いたくらいでは起きません。午前中の遅い時間に給餌タイムがあり、昼過ぎ頃にまた見るとこうして爆睡していることが多い。いわゆる「腹ごなしに昼寝」というやつなのか。

2014年8月6日水曜日

"1902 vs Today"


 ひとりぼっちのジョージは死んでしまったけれど、世界にはまだまだ知られざるゾウガメのスター達がいるらしい。きのうたまたま目にしたセントヘレナ島のニュースによると、島で飼われているゾウガメの「ジョナサン」はもしかすると陸上で最も年取った生き物の一員か知れないという。上の写真は両方そのジョナサンを写しているが、カラーのが今年ので、モノクロの方は1902年のものである。島の公式の記録によるとこのカメは1882年にセントヘレナ島に連れてこられ、その当時既に成体であったのならばおそらく190歳弱であると推測されている。長い長いカメ生の間に視力を失い、鼻もにぶり、クチバシは殆ど摩耗して食事に補助が要る状態だそうだが、食欲はバッチリで運動能力も周りのカメと比べて遜色はないという。島では人気者らしく詩人が来て彼の為のポエムを作ったり、浜辺にサンゴでできた小さな像が建てられたりしているらしい。ぜひ頑張ってゾウガメの長寿記録を塗り替えてほしいものである。

 ところでこのジョナサン、運動能力のほかに衰えていない身体機能がもう一つあるんだそうだ。リクガメに馴染みがのある人ならすぐ思い当たるかもしれないがそれは「性欲」で、同居している小さなメスのゾウガメを追い回す事に日々余念がないそう。自分もボランティア先の動物園で、100歳をを越えたアルダブラゾウガメ達の世話をするので思うが、年をとっても尚、メスと見るやガムシャラに突進してのしかかっていくゾウガメのオス達のあのアプローチが女の子にウケるとは到底思えない。ただ、「ジョナサン」専属の獣医師に寄れば、健康状態の一番のバロメーターである性欲が健在なのはカメのオスにとって非常に良いサインなのだという。人間のよく言う「よわいを重ねた落着き」とは無縁かもしれないが、最後まで子孫繁栄という命題のために、まさしく突進していく姿はある意味かっこいいのかもしれない。どうでもいい余談だがアメリカもフロリダあたりではリタイア後の老人達が集う「介護村」が存在し、最後まで子孫繁栄という命題のためにゴルフカートで合コンをする人間たちの姿が見られるそうである。あないみじ。

image source: Bored Panda

2014年8月5日火曜日

嬉しい発見


 5月のエントリーに、突然の大雨で押し流されてしまった大量のオタマジャクシ達を手助けしようか、するまいかと書きましたが、結局次の日20匹ほどを裏庭の水場に入れておいたのでした。その後は特に何の世話をするわけでもなく自然に任せていましたが、今朝件の「マック」の水替えをしにたたきに出てみると、足元にじっと座っているアメリカヒキガエルの子供を見つけました。サイズ的に間違いなく今年生まれで、そしておそらくうちの裏庭で育ったカエルと思われます。これはけっこう嬉しい発見だった。

2014年8月3日日曜日

今日のマック


 サイドバーにリンクコーナーを作ろうかと思っています。それと並行して相互リンクしてくださる方を募集したいと思います。もし、爬虫類や両生類が大好きで、ご自分でも爬虫類のブログかウェブをされていて、仲良くしてやってもいいぞ!という方がおられたら、下のコメントからでも、メールからでも、ご連絡ください。または今後、密かに通っていた管理人があなたのブログにいきなりコンタクトしてくる可能性もあるので、その場合は出来ればやさしい目(笑)で見守ってやってください。

 先日のニシキガメはいいスピードで回復してきています。さすが野生のイキモノと言った所か。この大きさのせいかはたまた腹甲の色のせいか、なんとなくチーズバーガーを連想させるカメなので、便宜的に「マック」と呼んでいます。餌は今のところミミズ、レプトミン、魚の切り身、ロメインレタスを主にしていますが、このカメはペレットは慣れないためかあまり食べません。一番反応がいいのが釣り餌に使われるミミズなので、今後また釣れちゃうんじゃないかと心配しています。飼育水は毎日全換水、3日目毎に半日ほどの強制甲羅干しタイムを挟んでいます。