2014年9月9日火曜日

ボールの呼吸器疾患解明へ一歩


 ふだん熱帯産のヘビに親しんでいる人ならば、今までに呼吸器疾患に陥っている個体に遭遇した経験がある人も多いかもしれません。我が家でも、以前購入してふた月ほどしか経っていないWC(?)アダルトのレインボーボアを、原因不明のひどい肺炎様の症状で落としてしまうという苦い経験をしたことがあります。呼吸器の病気は急速に進行したり、また比較的悪化するまで症状が見えにくい場合もあったりで、ブリーディング施設や専門店、個人のコレクターにとっては非常に怖い存在といえるでしょう。

 今週サイエンスジャーナルに発表された記事によると、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者チームが呼吸器疾患で死んだボールパイソンの呼吸器の組織から、病理学上非常に重要と思しきウイルスの同定に成功したと書かれていました。発見されたのはこれまで発見されてきたどのRNAウイルスよりも大型の、新種のニドウイルスの仲間とのこと。90年代以降、キャプティブ下のボールパイソンの間に見られる致死的呼吸器疾患の原因についてさまざまな研究や推測が成されてきましたが、従来の判別技術では決定的な因子の同定にまでは至っていませんでした。今回ウイルスが同定されたことによって、この長い間不明瞭だった疾患の全貌解明と、獣医薬学上の新たな一歩が踏み出されたことになります。同研究者チームは今後引き続きこのウイルスが生体内で実際にどのような動きをし、何が決定打となって病気が引き起こされるのかを調査していく方針とのことです。

(写真上)先日ぶらついた即売会で、ゴーストシルバーストリークの女の子がポ~っとしているのを見かけた。
(写真下)同じ即売会で目撃したレッサーブラックパステル、ブラックパステルピンストライプ。とてもかわいい。
     値段はとてもかわいくない。

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