2015年5月30日土曜日

ダスキーサラマンダー?


 日本はもう大分あったかくなっているそうですね。こちら北バージニアでも最近「もう、夏だなあ」と思う日が増えてきたんですが、そうするとなぜか金魚が飼いたくなります。自分は魚や泳ぐカメなどの水ものを外で飼うと、ふだんは一日一回、夏場は半日に一回換水したくなる狂人なのでそのうち飼ってることが苦痛になるのは目に見えてるんですが(魚にとっても迷惑でしょう)、あの全てを洗い流してスッキリした庭のたたきで風鈴の音を聞きながらスイカを食するという天上の娯楽から最近遠ざかっているためか、欲求が募ります。

 表題のダスキーサラマンダー?(Northern Dusky Salamander, Desmognathus fuscus)なんですが、そんな水への渇望からか「フタスジサラマンダーを見る」という名目でフラフラと沢へ引き寄せられて行った時、偶然出会ったものです。上の写真だとまだ外鰓が残っているのが見えるので、おそらく生後一年弱ほどの亜生体でしょう。体長は7、8センチといったところで、体の大きさ的にはほぼ成体と変わりないほどになっているのですが、エラが消えて陸へ上がる前の最後の時期をこの沢付近で過ごしていたものと思われます。上陸してしまった成体を見つけるのは大変なので、こうして見られてラッキーでした。(他の写真は、2枚だけですが、もっと読む以降にアップしました。) ※6月7日追記。なんだか、写真を見ているうちにレッドサラマンダーかも?と思い始めました。今の所確信がもてないので、「?」を追加しときました。

2015年5月17日日曜日

トウブハコガメ2匹目


 運転中、視界の端に一瞬写ったものがカメだった気がしてUターンしたところ、またもやトウブハコガメと遭遇しました。今年はハコガメの当たり年なんでしょうか。前回に続き車道を今まさに渡ろうとしているところでしたが、通勤時間帯前後で交通量もあったので、見つけるのが少し遅かったら死んでいたかもしれません。カメは、助かってラッキー、自分はカメを見られてラッキーでした。こんどのはまだまだ若そうなオスで、また裏の保護林へリリースしました。本来であればカメの進行方向だった先にある緑地に移せればよかったのですが、そのためには当日発砲事件があって死人が出たばかりの団地を通らないといけないという、実にアメリカ的な理由によって断念せざるを得ませんでした。


 保護林にリリースする前に記念写真。ハコのフタがぴっちり閉まって、この状態だと時には40分くらい待っても出てこなかったりするので、非常に根性のある生物です。甲羅の前側の縁がケロイド状にボコボコになっています。たまに、種やオスメスに関係なくこうなっているカメを見かけますが、人間のすぐ隣を棲み場所に決めたカメの場合、生活のなかで事あるごとにコンクリートや装飾用の石材でできた段差や階段、用水路の縁でこすったり、そこにばい菌が入ったりして徐々にこのようになっていくのかなと考えています。ペットショップにいたら「汚いカメ」という一言で終わってしまいそうな状態ですが、野生のカメが一生懸命、与えられた場所でもがきながら強くたくましく生き延びてきたという証でもあるかもしれません。


 甲羅の写真ばかりではアレなので・・・最後に、二日前近所の友人の庭に表れたハコガメの写真をば。このカメはアダルティーなオスでしたが、甲羅の山吹色もさることながら上半身もばっちりオレンジ色に発色していてなかなか綺麗でした。これまで見つけた3頭に関しては、全て州の両・爬保護団体のトウブハコガメ専用窓口に報告していますが、自分も含めた一般人のこういう草の根的地道な作業のつみかさねによって近隣のハコガメの数が少しでも増えてきているのだとしたら、そしてその結果が今回こうして身近に見られたカメ達なのだとしたら、大変嬉しいことです。

2015年5月14日木曜日

案外近くに居たらしい。


 もう、夏ですね。この間までさむいさむいと言っていた北バージニアですが、もう日中最高気温が30℃に迫ろうとしています。それだけでなく湿度もかなり上がってきていて、むし暑いのが駄目な管理人は日照の少ない時間帯を選んで姑息にうろちょろしていたところ、この間の健康診断で「ビタミンD不足」と言われてしまいました。仕方なく人間用のサプリメントを購入しようか検討していますが、あれって結構お高いですよね。そんな時目の前にネクトンやらレプティバイトやらのビンがコロコロしていたりすると、変な考えがよぎります。

 そんな訳で最近は日中でも積極的に表へ出るようにして居たところ、今日の昼頃、野生のカロリナ(トウブ)ハコガメに遭遇しました。我が州でもかなり生息数が減ってきているとされるこのカメ、自分も当地に3年ほど住んでいて、生で見るのは初めてだったのでかなり興奮してしまいました。こういう生き物は大抵探してもなかなか見つからないものなので、特に嬉しかったです。見つかったのが自宅の裏庭に等しいような住宅地から至近距離の道だったのでびっくりしましたが、灯台下暗しというか、案外ずっと傍でひっそりと暮らしていたようです。大きく丸々としたなかなか立派なメスでしたが、甲羅の一部にいっぺん、バキッと割れたような跡があったのが気になりました。

 このカメが居たのは近隣の比較的大きな道路の脇で、交通量も一定数あるようなところです。ひとまず保護してから、カメの向かっていた方角の緑地帯にリリースしましたが、移動させている最中思い出したのは3年ほど前に読んだ話でした。NASAのエンジニアが趣味で行った実験によると、被検地となったアメリカの交通量の少ないハイウェイで、全体のおよそ6%のドライバーが路上の爬虫類をわざと轢いていくことが分かったというものです。それに対し生き物を助けようと車を降りた人の率はヘビで1.7%、カメで4%にとどまりました。カメの場合、別の見方をすれば96%の人はカメを(故意に轢いたりはしないものの、)路上に放置したまま立ち去っているとも言えます。


 カロリナハコガメの場合、近年の野生個体数減少の大きな原因というのが生息地の消滅と、自動車や農耕機との接触事故とすでに分かっています。毎年多くのカメが交通事故で命を落としたり、たまたまラッキーで助かったとしても、障害を負って痩せた状態で見つかり保護されるものもいます。そういうことで最近ではハコガメに限らず道路を横断しようとしている爬虫類が居た場合、道路外へ(生体の頭の向いていた方向へ)移動させて放すことが推奨されるようになりました。生息地がいつの間にか開発されてしまった彼らにとってはとても難しい時代になったかもしれませんが、なんとか生き延びて、今年もがんばって命を繋げていってほしいものです。


2015年5月10日日曜日

情報は正確に



 両・爬の話題に限らず色んなニュースサイトをよく読みます。空き時間や寝る前などにちょこちょこ読めるので、怠け者の自分にはピッタリのメディアとして重宝しているんですが、内容が不完全なように思うものだとか、誤ったことを平気で書いている記事が案外多いのにも気付かされました。こんな発見、「いまさら」なのかも知れませんが、こと「健康」とか「医療・医薬品」に関する記事で、解説が不完全なものなんかは個人の健康に関わるぶん、正直いかがかなーと思いますね。

 似たようなケースで最近、とあるブログニュース形式の爬虫類関連サイトを読んでたら、薬の個人輸入にまつわるトピックが挙げられていました。筆者の方の飼われていた生体が病気になったので獣医師の診察を受けたが、獣医師の処方薬の価格が不適正と考え→薬を個人輸入して生体に使った、というプロセスが記事となっていました。生き物を飼っていれば病気になることはあるし、薬の個人輸入もそれ自体は何も悪くないと思いますが、該当の記事では、使われている医薬品の種類も容量も該当する生き物と症状を見る限り、おそらく不適切なんじゃないかと思った事、また医薬品の解説自体も非常に簡素で、どのくらいの量を・どのくらいのスパンで用いたかなどの記録はおろか、副作用などの基本的情報にも触れられていなかったのが気にかかりました。最もマズいと思った点は筆者の方が自宅で行った治療?過程が少しずつ別記事にまとめられ、リンクで飛ぶようになっていて、一連のことがなんとなく「情報発信」的なノリで扱われている事でした。

 管理人が思うに、ニュース系のブログを書く人は自分の書いたものがいったいどんな人に読まれているのか、いつも気を付けておく必要があるんでないかなと思っています、特に両爬の医療・医薬品なんてマイナーなトピックに対しては。爬虫類を飼っていて、生体が病気だからといって自力で書物を読みふけったり、サクッと会社休んで新幹線の切符とって専門医に行ったり、外国語の出来る友人に焼き鳥をおごるかわりに海外の医療情報を翻訳してもらうとか、そういうことが出来る人と言うのはたぶん少数派でしょう。ネットで医療情報を収集しようとする人というのは多くの場合上記には当てはまらないような、時間や経済力の制約がある中で、もしかしたら藁にもすがる思いでブログを読んでいるかもしれない層が主だというのは容易に想像できます。例えば少ない小遣いを貯めて買ったカメが病気になって泣きそうな小学生とか。子供にせがまれてヤモリを飼ってみたものの、様子がおかしくて焦ってる共働きのお父さん・お母さんとか。そういう人の中には、もしかしたらネットで急いで得た情報、間違っているかもしれない情報の検証や取捨選択が正しく出来ない人もいるかも知れません。だからこういうセンシティブな話題に関して記事を書くなら、少なくとも題材をきっちり調べて信頼できるソースを複数提示し、よりコンプリートされた情報に仕上げるように努力していくべきじゃないかと思います。中途半端な知識とか「自分はこう思った(けど違った~)」みたいな内容をあたかも「情報発信」風に書き連ねていくことは誤解を招くし、それがもとで、どこかの誰か見知らぬ人が可愛がってる生き物が命を落としてしまったら?。ブログニュースも立派な報道、どうせやるなら同じ両・爬人としての情熱やまごころを求めたいなあ。というのが、この件をきっかけにぼんやりと思った感想であります。今読み返したらなんだか説教臭いような、うっとおしい文章になってしまいました。でも、個人の辺境うんちく雑記ブログなのでいいや。

 そういえば「ネットでワラにもすがる感じで情報収集している人」で思い出したんですが、実は自分もしっかりその一員なんですよ。今日の見出しの写真、ハワイのハワイ本島で以前食べた謎の海産物なんですが、4年経った今も、あの日一体自分が何を食べたのか分からないままなのです。夜ホテルでビール飲もうと思って、KTAという地元民のスーパーで購入したもので・・・ちっちゃな海のタマヤスデという感じで・・・なんかカニみたいな味で甲殻類だというのは確かなのですが。ときおりネットでハワイ島在住の方の「情報発信ブログ」などを調べているんですが(笑)、未だ確証に至っていません。誰かこの正体をご存じの方、ハワイ島の地元のお惣菜に詳しい方いらっしゃいませんか?もしよかったらアドバイスをください。