2016年6月2日木曜日

帰米しました。

水面に突き出したコンクリ片の上で休むヒガシニシキガメ C. p. picta (クリックで拡大)


 あっという間だった日本滞在を終え、無事帰米しています。不在にしていた間にアメリカヒキガエルの繁殖期は終わり、アイリスの開花も終わり、季節は一気に初夏へと変わっていました。去年のだいたいこのあたりの時期にはトウブハコガメに遭遇できていたので(カメ1カメ2)それを期待しつつ毎日、朝夕近隣を歩いていますが、今年は運がないようで1匹も発見できていません。トウブハコガメは派手なカメに見えますが、自然の中にいると木漏れ日の中に埋もれて、じっと目を凝らさないと見つけられないから本当に不思議です。それにあっ!と思って近寄って見ても、カメに似た形の土くれだったり、風化した切り株だったりすることも多いのです。

 その点、行くところへ行けば100%遭遇できる水ガメの存在には助けられます。ナンも見つけられなかった日はとりあえず湖をまわって水ガメを見て、満足して帰ります。上の写真は数日前、前から気になっていた荒れた農地の水路に足を伸ばした際に撮ったもの。やはり思った通りの時間に、思った通りの場所に居てくれるカメ達。この水路は昔ここ一帯を所有していたお金持ちの農家が掘ったもののようですが、土地の持ち主が死んでからは誰も手入れをする人がおらず、少しづつ荒れて行っているようです。諸行無常ですね。


使われなくなった水路はカメ達の楽園に


 諸行無常といやあ、日本では母方の故郷である山口県まで足を伸ばす機会がありましたが、所謂「過疎化するにっぽんの地方」の例に漏れず、山の少し奥の方へ入れば荒れ放題の休耕田や、参拝客の来なくなった寺などに遭遇することがしばしばありました。薄暗い竹林の中の沢で、倒壊したまま修復されることなく折り重なった墓石の下からタゴガエルの静かな独唱が聞こえてきたりして、こうして人が消えた野山を次々と楽園に変えていく両爬の姿が思い浮かべられ、侘しい様な、そこはかとなく愉快なような、不思議な気分となった事を覚えています。

 「つづき」以降に、今回の帰省で撮った日本の(たぶん一部の方にしか面白くない)写真を少々アップしたいと思います。





 
 十年来で仲良くしていただいている「シュリンプスワンプさん」という爬虫類賢者の方がおられるんですが、高円寺にあるその方の両・爬専門店が新装開店されるということで、新しいロケーションを見学させてもらうことが出来ました。左手に「オーバーザウィル主任」という方が世界のカメ水槽からにょっきり出ているように見えますが、この方が棚を作ったり、いろいろしてくださっているようです。開店がとても楽しみです。お近くの方は是非足を運んでみられてください。氏のお店のウェブページはこちらです。


 旧店の建物はどうやら取り壊されてしまうようです。
爬虫類のお店になる前からけっこう長い歴史のあるロケーションだったので、時の流れを感じ、なんとも名残惜しいものがあります。


 今回日本へ滞在して、改めて東京の爬虫類店や熱帯魚店、植物店などをはじめとするホビーショップを時間の許す限りをまわってみて、それらの過密さに改めて瞠目したわけでありますが、業種は異なれど、キャリアの長い方が多くくすぶる集う場、行くたびに何がしかの学びのある場所というのが、そのような中に自然発生的にあるのが散見されます。ホビーに情熱を傾ける人と人との直接の交流からしか発生しない、ある種の熱力が生むダイナムズムの産物でありますが、管理人の住む北米などでは、それが早くからオンライン上に移行していることによってトーンダウンした感が否めないと、常々思っていました。両爬に目を向けてみても専門店の乱立、価格競争、帰化問題・危険動物にまつわる規制強化ほか、ホビーとしてのありかたの根幹を変えるアスペクトが表れだして久しいと思いますが、アナログな人と人とのつながりと、連綿と続く「シュミジン」達によって肥沃に耕されてきた文化の受け皿がある日本、その両爬シーンはまだまだアツイ!と嬉しくなった、今回の滞在でした。